志願の先発 報徳学園の背番号1 5回に待っていた“落とし穴”

[ 2010年8月20日 17:05 ]

報徳学園―興南 先発し力投する報徳学園・大西

 【報徳学園5―6興南】報徳学園の先発大西から笑顔が消えた。序盤に打線が取ってくれた5点のリードは、ついになくなった。「興南の勢いにのまれてしまった」。7回、同点打を浴びて降板した背番号1はベンチで頭を抱えた。後を受けた田村も打たれ、29年ぶりの頂点は夢に終わった。

 準々決勝で田村が見せた好投に刺激され、大西は永田監督に準決勝での先発登板を志願した。気持ちの入った投球で強力打線を4回まで封じた。
 だが、“落とし穴”が待っていた。「このままいけるんじゃないか」と気が緩んだという5回。先頭打者に安打を許すと失策も絡んで3失点。7回には「後悔の1球。制球ミス」という初球のスライダーを我如古に右中間へ運ばれて追い付かれた。
 効果的な継投と機動力を駆使し大舞台を勝ち抜いてきた。1981年はプロ野球近鉄などで活躍した金村を投打の中心に据え優勝、2002年はエース大谷(ロッテ)を擁し選抜大会を制した。
 今大会は総力野球で、過去に優勝を果たしたチームに劣らない強さを見せた。永田監督は「本当の高校野球をしたチーム。監督人生の中でも、思い出に残るチームです」と満足そうだった。

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2010年8月20日のニュース