イチロー 安打取り消しも気にしない?

[ 2010年8月20日 06:00 ]

オリオールズに勝利し、トゥイアソソポ(左)と喜ぶマリナーズのイチロー

 【マリナーズ6-5オリオールズ】マリナーズ・イチローが8日(日本時間9日)のロイヤルズ戦の8回に放った遊撃内野安打が、18日(同19日)になって遊撃手の失策に訂正された。

【試合結果


 イチローは18日のオリオールズ戦の5回に右翼線適時二塁打を放って、即座に今季154安打と前日までの記録に戻したものの、10年連続200安打へは残り41試合で46本のまま。10日後の記録訂正で、思わぬ足踏みを強いられた。
 「変更がなかったら、きょうヒット1本出てないかもしれないからね。いいんじゃないの、別に」。実は試合前に「悲報」が届いていた。8日のロイヤルズ戦。イチローは8回に内野安打を記録していた…はずだった。しかし、ロ軍側がこの判定に抗議。記録再審委員会が検討し、10日後のこの日に遊撃手の失策に覆った。
 イチロー自身、過去にも同様のことがあった。メジャー1年目の01年。6月8日のパドレス戦での二塁内野安打が、7月20日になって失策に訂正されたのだ。そんな経験も積んできただけに、気持ちの切り替えも一流だ。5回無死三塁。次打者フィギンズの左翼線へのライナーでタッチアップ。左翼手が左利きなのはもちろん、ライン際という捕球位置から本塁への送球が走者と重なるのも見越して思い切って突っ込んだ。「レフトからの角度がないですから。あるならいかないですよ、あの距離では」。イチローならではの瞬時の判断力だった。

 ▽大リーグの記録訂正 大リーグでは記録訂正は原則として試合終了から24時間以内と規定されているが、それ以降でも明確な根拠があれば記録を訂正することがある。まれに数年以上後に訂正される場合も。1910年にはT・カッブが打率・385で首位打者に輝いたが、60年後の70年にスポルティング・ニューズ誌が調査し、1打数2安打が余分に加算されていたことが判明。通算安打は4191から4189となった。結果的にN・ラジョイの同・384が首位打者のはずだが、リーグ会長の裁定でタイトルの変更は認められなかった。99年には1930年にH・ウィルソンがマークしたシーズン191打点の大リーグ記録が190に訂正された。

 ◇日本人大リーガーの主な記録訂正
 ★長谷川滋利 エンゼルス在籍時の01年3月2日に、00年8月21日のレッドソックス戦での敗戦が消え、前シーズンの負け数が6から5に訂正された。失点、自責点も各1減ってそれぞれ42、37となり防御率は3・57から3・48になった。
 ★松井秀喜 ヤンキース時代の07年5月6日のマリナーズ戦。6回に平凡な飛球を左翼手が落球し失策で出塁。11分後の7回守備時に、二塁打と記録が訂正され、日米通算2000安打を達成した。一度は失策と判定されていたため、記念のボールは行方不明に。
 ★新庄剛志 メッツ在籍時の03年3月29日。オープン戦最終戦前に前日の内野安打が、一塁手の失策に訂正された。この日も1打数無安打で打率を・410に下げ、チームトップながら全米では打率6位に順位を落とした。

続きを表示

2010年8月20日のニュース