矢沢永吉 B’z稲葉浩志と共鳴した「ファンキー・モンキー・ベイビー」 松本と知られざる縁も

[ 2022年8月29日 05:00 ]

B’zとともに熱唱する矢沢永吉 (C)達川範一
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 矢沢永吉(72)のデビュー50周年記念公演が28日夜、前日に引き続き東京・国立競技場で行われ、サプライズゲストで人気ロックデュオ「B’z」が登場した。一切告知されていなかったゲストのため、6万人の大観衆は驚きと歓喜の絶叫。矢沢は稲葉浩志(57)と肩を組みながら「ファンキー・モンキー・ベイビー」など2曲を歌い、日本ロック史に残る伝説の夜となった。

 矢沢とB’zの接点は知られていないが、実は15年ほど前。松本と矢沢の行きつけの飲食店が一緒で、そこで偶然出会ったのが最初。この日のステージでも「偶然、飲み屋かなんかで会ったんだよ」と明かしていたが、10年ほど前に松本が米ギタリストのラリー・カールトンと共作したアルバムが米グラミー賞を獲得した際も「凄いことだよ!」と祝福していた。

 今回の2曲はいずれも矢沢からの提案。それはB’zの2人にとっても面白いチョイスだったはず。自ら作詞をする稲葉はB’zはもちろんソロ活動でも、音程とそこに重なる言葉の響きを意識して楽曲を制作している。

 そんな彼からすると、♪君は ファンキー・モンキー・ベイベェー!と、日本語と英語のチャンポンにより見事に8ビートのロックンロールに乗せたこの歌は、日本語とロックの融合を特に音程と重なる言葉の響きを探究してきた音楽人としては、理想に近い作品なのかもしれない。そう思わせるほど、この曲を歌っている時の稲葉の表情は心底楽しそうだった。

 そして、矢沢と稲葉に共通するのが口を大きく開け、日本語も英語もはっきりと歌ってロックにすることだ。稲葉が新型コロナウイルスに感染した影響でリハーサルができるかも分からない中「矢沢さんとの約束は守る」とB’zの2人が一貫していたのは、そういった音楽人としてのシンパシーが敬愛とともにあったのだろう。

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2022年8月29日のニュース