広島・床田「満足感はない」 さらなる進化へ全てに磨きをかける 11月は肉体改造に着手

[ 2023年10月31日 05:45 ]

広島・床田
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 広島・床田寛樹投手(28)が30日、さらなる進化へ意欲を示した。7年目の今季は勝利数、投球回数、防御率で自己ベストを更新しながら「満足感はない」ときっぱり。ツーシームが宝刀でなくなった終盤を反省し、直球、スライダー、チェンジアップなどに磨きをかけて投球の幅を広げたい考えだ。今や主戦級に成長した左腕の向上心が頼もしい。

 阪神とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦で無念の敗戦投手になってから10日。床田の姿はマツダスタジアムにあった。秋季練習参加を免除され、自主トレに汗を流して帰途に就く際、今季を振り返った。

 「(成績に)満足感はないですね。自分でも、何が良かったんだろうと思う。前半と後半で、何でだろう…という思いがあって」

 自己ベストでリーグ4位の11勝(7敗)、同3位の防御率2・19をマークし、投球回数(156回)でも自己最多を更新した今季。はた目には十分な成績でも、床田に満足感はなかった。体調の変化と結果が合致しないモヤモヤが原因だった。

 「前半は左肘痛があり、スピードが出ない中で抑えられた。後半は痛みが消え、球速も出て“これならイケるかも”と思ったら逆に打たれはじめて…」

 左腕は、自身を客観視する能力にたける。後半戦に増えた痛打は「球速が上がって、制球に繊細さがなくなった。ツーシームの割合も明らかに増えて頼り過ぎた」と分析した。確かに、ツーシームは全投球の32・5%を締め、直球の36・8%に次ぐ。となれば、修正ポイントは明確だ。

 「真っすぐの強さをもう一度出していきながら、他の球種をカウント球や決め球にできれば幅が広がる。スライダーは使えると思ったし、チェンジアップをモノにできれば」

 スライダーは、球速を130キロ台後半から120キロ台に抑え、曲がり幅を大きくしたものに改良。CSで好感触を得た。カーブやパームボールの従来球種に加え、同僚の森下から教わったチェンジアップを習得すれば投球の幅は大きく広がる。

 既に進化への青写真を描いている。11月は肉体改造に着手し「ノースローで、ウエートトレーニングを多めに入れる」。体の柔軟性を求めて可動域を広げつつ、筋量を増やすプラン。12月から再びボールを握り、変化球を練習に励む意向だ。

 阪神との短期決戦に敗れた後、「力負け。このままだと来季は多分キツい」と漏らした左腕。味わった悔しさはバネになり、向上心に変わる。来季の進化を期待して待とう。 (江尾 卓也)

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