沢村賞のオリックス・由伸「全部突き詰めていきたい。もっともっと極めていけたら」

[ 2023年10月31日 05:40 ]

3年連続沢村賞を受賞し、色紙を手に笑顔の山本
Photo By 代表撮影

 沢村賞の選考委員会(堀内恒夫委員長)が30日、東京都内で開かれ、3年連続3度目の投手4冠に輝いたオリックス・山本由伸投手(25)が全会一致で選出された。3度目の受賞は史上5人目の最多タイで、3年連続は1956~58年の金田正一(国鉄)以来65年ぶり2人目。7項目の選考基準のうち4項目をクリアし、チームをリーグ3連覇に導いた山本は「一年間通して頑張ってきたので、凄くうれしく思う」と喜びを語った。

 3年連続で投手最高の栄誉を手に入れた山本は晴れやかな笑顔で喜びを口にした。

 「唯一、今まで活躍してこられた大先輩の方に選んでいただける賞なので。そういった素晴らしい方に選んでいただけるというのは凄くうれしい。もっともっと努力を重ねていきたいなと心から思う」

 3度受賞は杉下茂(中日)、金田正一、村山実(阪神)、斎藤雅樹(巨人)に次ぐ5人目で最多タイ。3年連続は1956~58年の金田以来2人目の快挙と、伝説の男たちに肩を並べた。23試合に登板し16勝6敗、勝率・727、防御率1・21、奪三振169。3年連続で最多勝、防御率、最多奪三振、勝率第1位の投手4冠を達成し、選考基準7項目中4項目をクリアした。

 防御率はプロ入り後最も良い数字。8月から9月にかけては44イニング自責なしと圧倒的な力を見せつけた。完投は2試合にとどまったものの、9月9日のロッテ戦(ZOZOマリン)では戦後初となる2年連続ノーヒットノーランを達成した。

 「防御率は凄く重要視している。ここまでの7年間の中で一番いい数字になったので、そこは凄く良かった。ノーヒットノーランは凄く喜びが大きかったし、印象に残っている一勝かなと思う」

 今季から取り入れた左足をクイックのようスライドさせて投げるフォームは、くしくも沢村栄治(巨人)と似たスタイルだった。参考にしたわけではないが、映像を見て「凄い投手がそういったフォームをしていたということは、凄くうれしかったというか、良かった」と励みになったという。向上心あふれる右腕は「全部突き詰めていきたい。もっともっと極めていけたら」とさらなるレベルアップを誓った。

 この日は甲子園での練習に参加せず調整した。28日の初戦は6回途中7失点と打ち込まれたものの、シリーズが第6戦までもつれれば同戦の先発が濃厚。「チーム一丸となって日本一を目指している。その一人として全力でやっていきたい」。来季はメジャー挑戦の可能性もある右腕が、まずは2年連続の日本一へ全力を注ぐ。(中澤 智晴)

 ▽沢村賞 プロ野球史上初の無安打無得点試合を達成した伝説の大投手、沢村栄治(巨人)を記念し、1リーグ時代の1947年に制定。シーズンで最も優れた先発完投型の投手に贈られる賞で、2リーグ分立の50年からはセ・リーグの所属投手だけが選考対象、89年から両リーグに広げられた。選考基準は(1)25登板以上(2)完投10試合以上(3)15勝以上(4)勝率6割以上(5)200投球回以上(6)150奪三振以上(7)防御率2.50以下の7項目。

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