中畑清氏 日本S第3戦からは1点を争う戦いに?鍵は阪神・佐藤輝、オリ・紅林

[ 2023年10月31日 05:30 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル!】まさか8―0の応酬になるとはね。関西ダービーとなった今年の日本シリーズ。第1戦、山本由伸が7失点するなんて誰が予想した?逆に第2戦はオリックスの先発、宮城が6回無失点の好投で阪神打線の勢いを止めた。打線もつながって、お返し。

 これで1勝1敗。互いに日本シリーズ独特の緊張もほぐれ、やっとスタート台に立った感じじゃないかな。第3戦からは1点を争う戦いになる気がする。

 現役時代に巨人で経験した4度の日本シリーズ。忘れられないのが西武と初めて戦った1983年だ。第1戦は江川が6失点KOされ、第2戦は西本が完封。スコアは3―6と4―0だったけど、ともに一方的な展開になったという点では今年と似ている。

 40年前はこの後、シリーズの様相が一変する。逆転に次ぐ逆転。第3戦から第7戦まで7回以降の逆転で勝敗が決まった。サヨナラが3試合。私もそれなりに絡んだ。

 第3戦は1点を追う9回、2死から篠塚、原、スミスの連打で追いつき、左前へサヨナラ打を放った。第5戦は7回、三塁打で出て同点のホームイン。9回クルーズの3ランでサヨナラ勝ちした。第6戦は1点を追う9回2死一、二塁。会心の右中間三塁打で逆転した。ところが、その裏、西本が追いつかれ、延長10回に江川が打たれてサヨナラ負け…。第7戦は7回、テリーの満塁走者一掃の左中間二塁打で逆転され、そのまま敗れた。互いに死力を尽くした戦い。負けはしたけど、やるだけやったという爽快感があった。

 今年もここから先、第7戦までもつれ込むようなハラハラドキドキの展開を期待したいな。キーマン、シリーズ男になりそうなのは誰か。阪神では第1戦で山本攻略の突破口を開いた佐藤輝だ。中前打で出て、続くノイジーの初球に二盗成功。大舞台でも自分を見失うことがない。なにかでっかい仕事をやってのけそうな雰囲気を持っテルんだよね。オリックスでは紅林だね。長嶋さん的なタイミングの取り方をしててさ。打順は下位にいながら、試合の流れを引き寄せそうな期待感がある。

 2人に注目しながら、シリーズにどっぷりはまりたい。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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