実戦復帰果たしたソフトB・大関 「感謝」の二文字胸に…終盤戦へ「できる限りの準備を」

[ 2022年9月17日 08:00 ]

実戦復帰したソフトバンクの大関
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 ユニホームを着られる喜びを噛みしめた。精巣がんの疑いで腫瘍摘出手術を受けたソフトバンク・大関友久投手(24)が10日、3軍練習試合(タマスタ筑後)で42日ぶりの先発マウンドに帰って来た。

 誰もが耳を疑う発表だった。8月2日。球団から「左精巣がん疑いで摘出手術を受け、競技復帰時期は未定」というメールが担当記者に配信された。野球どころか、普段の生活に戻れるかすら分からない。そんな不安が大関の頭からは消えなかったはずだ。

 「最初はどれだけ動けないかが分からなくて、想像がつかなかった…。考えすぎて余裕がなくなった時期もあった。今は野球もそうだし、普通にやりたいことができていることは恵まれていると思う」

 ファンの温かい拍手がマウンドに向かう左腕に送られる。大関は投球で応えた。13球を投げ、1回3者凡退。キレのある直球は最速145キロをマークした。「無事、体を動かすことができている時点で凄く良かった。こうして無事に実戦を迎えられて凄く順調だし、早いくらいです」。野球ができる喜ぶに自然と笑みがこぼれた。

 支えになったのは家族、関係者、ファンからの応援メッセージ。SNSには数え切れないほどの通知が届き「手術の時も復帰の時もたくさんいただいて、思いは感じているし、その思いに応えたい」。胸にあるのは「感謝」の二文字。「手術の時は先が分からなかったけど、今は先が見える」と目標に向かって、全力で腕を振る。

 13日はウエスタン・リーグ広島戦の7回に登板し1回3人斬り。最速148キロをマークするなど徐々にギアは上がっている。順調に段階を踏めば、シーズン復帰も視野に入るペース。藤本監督は「体調は問題ない。もともと体が強いから病気になったけど、早い復帰は頼もしい。大関が中継ぎに入ってくれたら一枚増える。期待していますよ」と終盤戦の貴重なピースとして考えている。

 前半戦は先発の軸で2完封を含む6勝をマーク。球宴に初選出され、大舞台で先発も経験。育成出身左腕は「力を付けた状態で戦力になれるように。できる限りの準備をしていきたい」とひたむきに準備を進めている。最後は笑ってシーズンを終えてほしい。(記者コラム・福井 亮太)

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2022年9月17日のニュース