オリ・能見 コーチとして日本一を「今年獲れるチャンスがある」由伸ら教え子たちに夢託した

[ 2022年9月17日 04:45 ]

オリックス・能見篤史 引退会見 ( 2022年9月16日 )

引退会見を終え、(後列左から)宮城、山岡、山本と記念撮影する能見
Photo By 代表撮影

 幸せでした!今季限りで現役引退を表明していたオリックスの能見篤史投手(43)が16日、京セラドーム大阪で引退会見を開き、阪神16年、オリックス2年の計18年を笑顔で振り返った。球団からは来季スタッフの入閣を要請されており、「コーチとしてチームを日本一にすること」をこれからの一番の目標に掲げた。

 涙はなかった。能見にあったのは、やりきった充実感。約30分の晴れやかな引退会見を終えると、「こんな引き際、幸せですよね」と笑った。

 「自分が投げるよりも、教えてきた選手が成長する姿がうれしかったので、選手としての自分の気持ちは薄れていた。それが引退の一番の理由です」

 昨年の契約更改で今季限りをすでに伝えていた。予定通りにユニホームを脱ぐことを中嶋監督に伝えると「本当に辞めるのか。あがけ、もう少しあがけ」と説得もされたが、心はもう兼任コーチとしての次の夢に向かっていた。

 自身のことを神と呼ぶ山本、そして父と呼ぶ宮城、ずっとキャッチボールの相手だった山岡の3投手が花束を渡しに会見にきてくれた。「次元が違う由伸クラスの気持ちは分からないが、芯がしっかりしているし、人の話をちゃんと聞く。心配はしていない。宮城は今後壁にぶち当たるところもあるが、自分を見失わなければどんどん成長すると思う。山岡も大丈夫」

 昨年のヤクルトとの日本シリーズでの登板を、オリックスでの一番の思い出に挙げた。「あそこで投げるとは思ってなかった。大事なところだったので、すごい印象に残っています」。11月27日の第6戦、11回先頭の村上を左飛に打ち取った一つのアウトが現役18年の集大成だった。

 「やり残したことは個人(選手)としてはないですけど、コーチとしての立場で言うなら日本一は獲ってない。今年獲れるチャンスがある」

 ペナントレースの本拠地最終戦となる30日のロッテ戦のあとにセレモニーは開かれる。だが、教え子たちが日本一をつかむという新しい目標がすぐに待っている。(畑野 理之)

 ◇能見 篤史(のうみ・あつし)1979年(昭54)5月28日生まれ、兵庫県出身の43歳。鳥取城北から大阪ガスに進み、04年ドラフト自由獲得枠で阪神入団。09年は先発に定着して13勝。12年に172奪三振で初タイトル。13年WBC日本代表。20年オフにオリックスへ移籍。阪神では通算443試合で104勝93敗2セーブ51ホールド、防御率3.34。オリックスでは投手コーチ兼任。1メートル80、74キロ。左投げ左打ち。

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