西武2軍を封じた社会人屈指の右腕が待つ運命のドラフト 日本製鉄鹿島・大津亮介「信じて待っています」

[ 2022年9月15日 20:16 ]

関東選抜リーグ戦   ENEOS7―0日本製鉄鹿島 ( 2022年9月15日    等々力 )

社会人屈指の右腕・大津はプロ入りへの扉を開けるか(撮影・柳内 遼平)
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 社会人野球のENEOSに復帰した田沢純一投手(36)が日本製鉄鹿島戦の7回から登板し、1回を無安打無失点に封じた。

 10月20日に開催されるドラフトでプロ入りを狙う日本製鉄鹿島の最速152キロ右腕・大津亮介投手(23)は、一塁側ベンチから元メジャー右腕の投球術を目に焼き付け「凄いことだし、自分たちにも勉強になる。100%四球を出さないような投球でした」と言葉をはずませた。

 ドラフト指名が解禁となる入社2年目の大津は今年、社会人野球の2大大会である日本選手権と都市対抗の出場に貢献。最速152キロの直球、精密な制球力を武器に「即戦力右腕」としてプロ球団のスカウトから注目を集めている。

 今月9日には西武2軍との交流試合に先発し、5回を投げて2安打無失点。正確にコーナーを突く直球にスライダー、鋭く沈むワンシームを織り交ぜて5三振を奪った。スカウト幹部も視察した一戦で己の力を示し「決め球で狙って三振を取れた。大事な時期に良いアピールができました」と笑顔を輝かせた。

 プロ相手だからこその収穫もあった。1軍での実績十分な西武・金子侑司と対戦。内角いっぱいに投げきった直球を、強烈な打球で一塁線に運ばれた。結果はファウルだったが「今までの打者と反応が違って体の回転で捉えられてしまった。自分的には内角ギリギリだったんですけど、やっぱりミートされているようじゃダメ。まだストレートで押し切れていない。レベルアップが必要だなと思いました」。好投への過信はなく、さらなる成長を誓った。

 ドラフト会議は10月20日。「人生を変えられるか、変えられないかが決まる。ずっと、その日のためにやってきた。楽しみもあるし緊張もあります。当日までわからないので信じて待っています」。運命の日に「大津亮介」の名を響かせるだけの実績は積み上げてきた。(柳内 遼平)

 ☆大津亮介(おおつ・りょうすけ) 1999年1月13日生まれ、23歳。福岡県糟屋郡出身。1メートル76、67キロ。右投げ左打ち。

 ☆球歴 志免中央小4年時に志免ブラザーズで野球を始める。志免中時代では宇美スターズでプレー。九産大九州では2年春に背番号13で甲子園出場。帝京大では2年秋からベンチ入り。

 ☆球種 直球、カットボール、スライダー、カーブ、チェンジアップ、ワンシーム、スプリット。

 ☆直球の最速 九産大九州では139キロ、帝京大では147キロ、日本製鉄鹿島では152キロを計測。

 ☆決め球・ワンシーム 巨人・菅野が投げる縫い目に指をかけないワンシームを参考に習得。130キロ後半で右打者方向に鋭く動く。少し指を開くことでスプリットのように落ちて決め球にも。

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