阪神・原口 貧打にカツ!!ナインにゲキ!!福留に感謝のV打 残り11試合、4位以下に1・5差

[ 2022年9月12日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神5―0中日 ( 2022年9月11日    甲子園 )

<神・中>4回2死一、二塁、原口は左前に先制適時打を放つ(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 阪神が11日の中日戦で連敗を2で止め、3位の座を守った。15試合ぶりに先発した原口文仁内野手(30)が4回に先制の左前打で21イニングぶりの得点をもたらし、6回には粘って四球を選んで追加点を呼んだ。連日の惨敗だった横浜遠征で欠けていた執念を猛虎に注入。4位以下に1・5ゲーム差をつけ、残り11試合になったクライマックスシリーズ(CS)進出を巡る争いへ鼓舞した。

 執念は言葉ではなく行動で示すものだ。勝負どころで原口はバットを短く持って打席に立った。4回2死一、二塁。カウント1―1から勝野の直球をコンパクトなスイングで捉え、三遊間を鋭く抜いた。均衡を破る先制打で8月24日DeNA戦以来の先発起用に応えた。

 「近本、大山がつないでくれて、何とかワンチャンスで先に先制をしたい気持ちで打席に立ちました」

 9、10日のDeNA戦に惨敗して戻ってきた本拠地・甲子園。4回2死まで一人も走者を出せない苦戦から最初の好機を得点に結びつけ、先発メンバー最年長として存在感を示した。

 強い気持ちは6回の打席にも表れた。2死一、二塁。再びバットを短く持って食らいついた。フルカウントから2球連続で変化球をファウルし、8球目のカーブを冷静に見送って四球を選んだ。粘りがつながりを生み、佐藤輝、木浪の2点二塁打で追加点に導いた。

 「追い込まれてから何とか食らいついていけた。見極めが(佐藤)輝と木浪につながったので、よかった」

 勝負強く打ち、粘り強くつないだ姿は阪神時代から憧れを抱いてきた中日・福留に似ている。今季限りでの引退を表明し、今回の甲子園遠征にも同行。試合前に再会し、「お疲れさまでした。お世話になりました」と感謝を伝えた。20年まで8年間にわたって同じユニホームを着てたくさんのことを学んだ。ベンチで“ここはこうするんだ”と取り組み方や配球の話をしていると、自分のことでなくても耳を傾けた。吸収した教えが心身に宿っていることを殊勲の一打で証明した。

 「勝負どころで(福留)孝介さんは打つ――という印象が残っている。ファンの方も特に甲子園でゲームを決める一打を数多く打っているのを知っていると思う。今日そういう一打になってくれたら、僕もうれしいな」

 勝率差で4、5位に並ぶ広島と巨人に1・5ゲーム差とし、CS進出圏の3位争いは残り11試合。福留イズムを継承し、最後まで戦い抜く決意だ。(長谷川 凡記)

続きを表示

2022年9月12日のニュース