エンゼルス・大谷 メジャー自己最速163.2キロで12勝目もマメで緊急降板、ダブル規定到達は微妙に

[ 2022年9月12日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス6―1アストロズ ( 2022年9月10日    ヒューストン )

<アストロズ・エンゼルス>3回、タッカーから三振を奪いガッツポーズする大谷(撮影・白鳥 佳樹)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)が10日(日本時間11日)、アストロズ戦に「3番・DH兼投手」で出場。右手中指のマメの影響で5回降板となったが、6安打1失点7奪三振で12勝目(8敗)を挙げた。メジャー自己最速の101・4マイル(約163・2キロ)を計測するなど、球速アップがマメの原因と自己分析。軽症を強調したが、残り3登板で21イニングが必要な規定投球回クリアは、微妙な状況となった。

 指先から離れたボールが、高めに抜け気味の軌道を描いた。大谷はすぐにベンチに向かって合図。6回の投球練習。1球目を投げたところで投球練習を中断し、そのままベンチへ下がった。

 「(マメが)破れているとかでなく、多分次(の回)いっていたら次の登板に響くような感じになった。そうなる前にやめたという感じ」

 緊急降板についてフィル・ネビン監督代行は「5回が終わったところで言ってきた。何球か投げてみて感じを見てみると。彼は自分の体を管理することにたけている」と説明。5回を終え79球を投げた時点での異変の原因は、自身の投球の好調さだった。

 2戦連続でア・リーグ最高勝率のア軍と対戦。「自分のやりたいことだけやっていれば抑えられるような打線ではない」と直球系への比重を高めた配球に変えた。前回登板だった3日に全投球の18%だった新球ツーシームの割合を25%に増やした。力感もアップし「動きも投げているコースも申し分なかった」と手応えもあった。

 さらに直球の指のかかりも十分。3回2死二、三塁では、タッカーをメジャー自己最速の101・4マイル(約163・2キロ)で空振り三振。「決めるべきところで三振が取れているのは良いこと。単純にスピードが出ているというところでなく出すべきところで出る。投げるべきところで投げる」と自在だった。

 マメについて、8月から投げ始めたツーシームの影響かと問われた大谷は「新しい球種はそうなる場合もあるが、どちらかというとしっかり球速が出ている影響」と自身の出力アップを原因とし、前回登板でマメができていたと明かした。5年目で最多の24度目の登板。シーズン終盤でも余力十分な証だが、不安にもなった。

 今後についてネビン監督代行は「今後の6日間で問題がなければ次の土曜日に彼はまた投げる」と予定通りの17日(同18日)のマリナーズ戦先発を明言。今季141投球回として、162回の規定投球回へあと21回となったが、MVP争いへの大きなアピールになる「ダブル規定到達」へのハードルは高くなった。(笹田 幸嗣通信員)

 ▽大谷と右手中指のマメ 日本ハム時代、マメによる降板は計5度あった。顕著だったのは優勝した16年で、4月に2度降板。7月10日のロッテ戦で再びマメをつぶし、球宴は急きょ投手ではなく打者で出場し、第2戦で一発を放ちMVPとなった。メジャーでは昨年3月29日のオープン戦で登板中にマメが破れて3回途中3被弾など7失点。シーズン初戦の同4月4日のホワイトソックス戦も5回途中降板し、次回登板が同20日となったケースがあった。

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