阪神・近本 9回前進守備にもひるまず神走塁で同点ホームイン 打っても今季10度目猛打賞の大暴れ

[ 2022年7月17日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1-3中日 ( 2022年7月16日    甲子園 )

<神・中>9回1死三塁、糸原の遊撃ゴロで三走・近本が同点の生還(捕手・木下)(撮影・成瀬 徹)
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 土壇場での“神走塁”も、勝ちに結びつかなかった悔しさが全てだった。試合終了から20分後。阪神・近本は敗戦を受け止め、淡々と取材に受け答えした。

 「その時にヒットを打つだけなので。最後(延長11回の第5打席)も打てなかったですけど、チームが負けたのが一番大きいです」

 1点劣勢の9回先頭で竜の絶対的守護神、R・マルティネスの初球、142キロスプリットをあっさりと中前にはじき返して出塁。同点を信じるファンのボルテージを上げると、すぐさま仕掛けた。2度のけん制にひるまず、続く佐藤輝の打席で初球からスタート。「いけると思ったからいきました」。助っ人右腕のモーションを完全に盗み、この日すでに2度も二盗を刺していた木下の送球をかいくぐって、今季18個目の盗塁に成功した。

 これだけでは終わらなかった。佐藤輝の遊ゴロで三塁へ進んだ1死三塁。糸原の遊ゴロは前進守備網にかかったが、打った瞬間から本塁めがけ一目散に駆けた。「サインがギャンブルだったので、そのときの僕の仕事をやっただけ」。際どいタイミングだったが、わずかに滑り込みが早かった。リプレー検証でも判定は覆らず、試合前まで28試合連続無失点、防御率0・30のR・マルティネスから値千金の1点を奪取。試合を振り出しに戻すとともに、力投した才木の負けまでも消した。

 初回と6回にそれぞれ放った中前打を合わせて今季10度目の猛打賞を記録。球団史に残る30試合連続安打がストップした次の試合から、これで6試合連続安打だ。「(変わらずに)やっていくだけです」と早くも次の試合を見据えていた。(阪井 日向)

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2022年7月17日のニュース