日本ハム・新庄監督 56年岩本監督以来、新人監督7連勝!「最高」1―0勝利

[ 2022年7月17日 06:00 ]

パ・リーグ   日本ハム1―0西武 ( 2022年7月16日    札幌D )

<日・西>6回、野村の二塁打で生還した近藤を迎える新庄監督(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハムが16日、西武との接戦を1―0で制し、新庄剛志監督(50)は19年6月以来となる7連勝に導いた。球団の新人指揮官による7連勝は、前身の東映時代の56年岩本義行監督以来66年ぶりで、最長タイ記録。ビッグボスが目指す守り勝つ野球が浸透し、7試合連続2失点以下は12年以来10年ぶりとなった。現役時代は自身同様に「記憶に残る男」だった先人に並び、最下位からの逆襲を加速させる。

 6日に今季ワーストの借金20だったチーム状態がうそのようだ。翌7日から破竹の7連勝。球団新人監督記録に66年ぶりに並んだ新庄監督の声も弾んだ。

 「60連勝を目指してやっていきたい。もう60もないって?新しい記録を塗り替えていくのが僕の使命。あっと驚くことをやっていきたい」

 好調ぶりを支えているのが守り勝つ野球。「1―0で勝ってくれたら最高だなと思っていたら勝てた」。7連勝のうち、全試合で先発投手がクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)を達成し、ハイクオリティースタート(7回以上、自責点2以下)も5試合だ。救援投手が失点したのは1試合。勝つべくして勝っている。

 守備シフトもはまった。6回2死一、二塁で呉念庭(ウーネンティン)を迎えた場面では極端な守備陣形を敷いた。打球傾向から「センター前に抜けないように」と二遊間を狭めた。空いた一、二塁間と三遊間を抜かれた時のために左翼・近藤と右翼・浅間は前に出した。打球は読み通りピッチャー返しの打球で投ゴロに。7回1死一、三塁では「セーフティースクイズが一塁側にきた時に」と三塁の守備固めで入っていた谷内を一塁へ回した。山田が1、2球目にセーフティースクイズを試みたが、谷内が鋭いダッシュで重圧をかけ、結果的に上沢が二直併殺でしのいだ。

 5回無死二塁では右翼・浅間が右翼線際への飛球で三塁を狙った外崎を補殺。現役時代に外野手でゴールデングラブ賞を10度獲得した指揮官は「僕からしたら普通」と笑いつつ「あれで勝利への流れがきた。上沢くんが乗ってくる。守備は本当に大事」と訴えた。

 この日は「北海道シリーズ2022」と銘打たれた本拠地5試合の初戦。「HOKKAIDO」の文字が入ったビジター用ユニホームでプレーした。勝利に酔いしれる2万5058人のファンを目にし「“面白い野球をしているから俺たちも見に行こう”って気持ちにさせるのが僕たちの仕事」と言った。7連勝を目撃したファンには、間違いなく記憶に残る一戦となったはずだ。(東尾 洋樹)

 【岩本義行という男】

 ☆元祖・神主打法 明大在学中にバットを神主のように体の正面で構える独特の打法を考案。戦前の東京六大学野球の代表的スラッガーとして活躍した。大学2年時には首位打者を獲得。

 ☆初代トリプルスリー 2リーグ制が始まった50年に松竹の4番としてリーグ制覇に貢献。戦前からプロ野球に在籍し既に38歳だったが、打率・319、39本塁打、34盗塁で史上初のトリプルスリーを達成した。

 ☆史上初の1試合4発 51年8月1日阪神戦(上田市営)で1、5、6、8回に本塁打と、プロ野球史上初の1試合4アーチ。9回には二塁打を放ち1試合18塁打のプロ野球新記録も作った。

 ☆監督兼任でサヨナラ弾 東映で選手兼監督を務めていた56年4月19日大映戦(駒沢)の延長12回にサヨナラ本塁打。44歳1カ月でのサヨナラ弾は史上最年長記録でいまだに破られていない。

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2022年7月17日のニュース