18歳・吉井が幕下優勝 金峰山破った!!「まわし取ればチャンスある」立ち合いの作戦成功

[ 2022年7月22日 16:59 ]

大相撲名古屋場所13日目 ( 2022年7月22日    ドルフィンズアリーナ )

上手投げで金峰山(左)に勝利し幕下優勝を決めた吉井(撮影・奥 調)
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 18歳の吉井(18=時津風部屋)が金峰山(25=木瀬部屋)を上手投げで破って7戦全勝で幕下優勝を決めた。

 立ち合い左へ動いて上手を取ると思い切って投げを打った。軍配は相手に上がったが物言いの結果、差し違いで勝利。既に新十両昇進を確実にしている日大出身の実力者を破った。「みんな金峰山が優勝すると思っていたと思うので、どうにかしてひっくり返してやろうと」。作戦通りの“番狂わせ”だった。「絶対取りに行こうと思った。まわし取れればチャンスあると思って」。思い切った立ち合い変化に勝機を見いだした。

 元中学横綱の吉井は一昨年の7月、平成以降では貴花田(元横綱・貴乃花)、萩原(元横綱・稀勢の里)以来となる16歳で幕下昇進というスピード出世を果たした。デビューから10場所連続勝ち越しの記録も作ったが、そこから右手親指のケガなどに苦しんだ。同学年で全中決勝の対戦相手でもあった大辻(18=高田川部屋)に番付を抜かれ「どんどん追い越されて凄く悔しかった」という。

 全勝できた要因に「自分の型の習得」が挙げられる。地元・やいづ少年相撲クラブの恩師から「右を差せば強いんだからとにかく右を差すように意識しろ」と言われ、右差し左前ミツの型を徹底するようになった。「こうなったら負けないという自分の型をつくれば上がれると思う」。その成果が今場所表れた。

 来場所は幕下5枚目以内へ番付を上げることが予想される。「今まで以上に稽古して、十両上がれるチャンスをつかめるように頑張ります。今日までは優勝の喜びをかみしめて明日からは来場所に向けて頑張りたいと思います」。18歳の大器は早くも関取の座を見据えた。

 ◇吉井 虹(よしい・こう)2003年(平15)8月1日生まれ、静岡県焼津市出身の18歳。小4の頃、やいづ少年相撲クラブで相撲を始め、焼津市立港中3年時に全中で団体戦、個人戦ともに優勝し中学横綱に輝く。19年春場所、中川部屋(当時)に入門。20年7月場所、16歳で幕下に昇進。1メートル78、160キロ。

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