【世界陸上】女子やり投げ・北口榛花 トップで決勝進出!今季自己ベスト64メートル32

[ 2022年7月22日 03:30 ]

陸上・世界選手権第6日 ( 2022年7月20日    米オレゴン州ユージン・ヘイワードフィールド )

世界陸上・女子やり投げ予選で1投目で今季自己最高の64メートル32を投げて決勝進出を決めた北口榛花(AP)
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 女子やり投げの予選が行われ、日本記録保持者の北口榛花(24=JAL)が1回目に今季自己ベストとなる64メートル32をマークし、全体トップで日本時間23日午前10時20分からの決勝に進出した。五輪も含めて、投てき種目でメダル獲得となれば日本女子初となる。武本紗栄(22=佐賀県スポーツ協会)も59メートル15で予選を突破した。

 オレゴンでも、北口らしく喜びを爆発させた。自身にとって2度目となる世界選手権の1回目。鋭い助走から放った一投が、放物線を描いて地面に刺さる。「64メートル32」。今季自己ベストとなる数字を確認すると、観客席のコーチのもとへガッツポーズで駆け寄った。

 「64メートルという数字が、自分の中で超したかったけど超せなかった数字だった。今回、1投目で超すことができて良かった」

 無条件で決勝進出となる62メートル50を一発で超え、さらに全体トップとなる記録をマーク。前回大会で6センチの差で予選落ちした悔しさを晴らすとともに、6月に日本人で初めてダイヤモンドリーグを制した実力を発揮した。

 昨夏の東京五輪は12位。左脇腹を痛めて、3カ月間も競技から離れた。その頃から、指導を受けるチェコ人のセケラック・コーチとの関係性に変化が生まれた。「コーチが言うことが絶対で、口論しても必ず負ける」状態だったのが「体の状態などを聞いてくれ、メニューも変えてくれるようになった」。互いに認め合ったことにより、絆は強固に。それが、競技後に喜び合うシーンに凝縮された。

 今大会の目標は、日本人では11年大邱大会の海老原有希(8位)以来となる入賞。五輪も含め、投てき種目では日本女子初となるメダル獲得に近づいても、思いはぶれない。

 「決勝になったら別人になる選手がたくさんいるので。自分は自分のことに集中して頑張りたい」。周りに流されることなく、決勝でも渾身(こんしん)の力でやりを放つ。(西海 康平)

 ◇北口 榛花(きたぐち・はるか)1998年(平10)3月16日生まれ、北海道旭川市出身の24歳。3歳で水泳を始め、旭川東高で陸上やり投げに転向。3年時に日本陸連の東京五輪候補育成制度「ダイヤモンドアスリート」に認定される。日大4年時に2度の日本新記録を出し、20年にJAL入社。東京五輪は12位。1メートル79。86キロ。

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