【二所ノ関親方　真眼】逸ノ城　小兵相手にお手本冷静な取り口

大相撲名古屋場所12日目 （ 2022年7月21日    ドルフィンズアリーナ ）

押し出しで翔猿（左）を破り10勝目をあげる逸ノ城（撮影・奥　調）
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　これぞ小兵の倒し方。全く動かない、慌てない。対戦した翔猿も「マジかよ」と思ったに違いありません。逸ノ城が小兵相手にお手本のような相撲を取りました。

　翔猿は腕も出して、足も飛んでくる。あの手この手でかく乱します。お付き合いすれば相手のペースになりますが、逸ノ城は一歩も動かなかった。翔猿が動き回っても、ムダのない動きをしているから全部先手を取れていました。落ち着いていたから、どんどん良い攻めに変わっていきました。自分に自信がないときは、中に入られたり、押される心配があるから前に出る。すると相手の術中にはまってしまいます。自分も現役時代ああいう相撲をしたかったですし、逸ノ城の調子の良さを感じました。

　優勝争いは3人に絞られつつあります。逸ノ城は今場所の出来なら2敗のまま横綱との決定戦の可能性もあります。本割では倒しているので見どころたっぷりの終盤戦が期待できそうです。　（元横綱・稀勢の里）