【一問一答】りくりゅうの絆 三浦「龍一くんと組んで良かった」 木原「滑らせてくれてありがとう」

[ 2022年2月20日 00:32 ]

北京冬季五輪第16日・フィギュアスケート ペアフリー ( 2022年2月19日    首都体育館 )

<北京五輪 フィギュア>ペア・フリー、演技を終え感涙する三浦璃来、木原龍一組(撮影・小海途 良幹)
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 北京五輪フィギュアスケートペアでSP8位の三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が19日、フリーで自己ベストの141・04点、合計も自己ベストの211・89点をマーク。SPから順位を1つ上げて7位となり、五輪の日本勢ペア初の入賞を果たした。

 “りくりゅう”の愛称で知られる2人は結成3年目。団体戦フリーで自己ベストの139・60点で2位に入り、銅メダル獲得に貢献。SP8位で、木原は3度目の五輪で初のフリーに進み、「ウーマン」の曲に乗って冒頭のトリプルツイストから息の合った演技を展開。フィニッシュを決めると氷上に両膝をつき、力強く抱き合い、木原は涙を押さえることができなかった。

 以下は、演技後の三浦、木原との一問一答。

 ――ジャンプ終わってからニコニコで滑っていた。
 木原「昨日のショートは無意識のうちにノーミスを狙い過ぎてしまって、心から楽しめてない自分たちがいた。今朝の練習で二人のタイミングがなかなか合わなくて、どうしたらいいのかなって思ったけど練習が終わった後に三浦さんとしっかり話をして、“もうノーミスは狙わなくていいだよね”って話になった。“もう、全ミスでもいいんだよ。全ミスでもいいからとにかく楽しもう”って二人で話をしてから、二人とも気持ちが楽になった。“じゃあ、もう今日は全ミス狙いでいこう!ただ楽しもう!”って話をして、試合に臨んだ。トーループも楽しんでいたら、いつも通りのことが出せて、そこからまた“楽しいな”って思いが入ってきて、今日は心から楽しんで滑っていたと思う」

 ――演技後に感情があふれた?
 木原「僕たち二人はいろんな方々に応援してもらって、ここまで来ることができた。応援してくださった皆様に(向けて)、いろんな思いが込み上げてきた。言葉にはうまく表せないけど、今までうまくいかなかったこと、つらかったこと、今日“できた”っていう思いがあふれ出てきた」

 ――昨日の演技から今日までに考えたことは。
 三浦「龍一くんが言った“全ミスでもいいからね”って言葉に救われた。もう、“全ミスでもいいんだ”って。でもとりあえず、昨日の失敗、同じ失敗を繰り返さないように絶対に締めようと思っていたのでそれができて、本当に良かった」

 ――順位の受け止めは。
 木原「トータル順位は悔いが残ったけど、フリーでは目標としていた5位に入っていたので、悔しいけどフリーの順位としては満足している。でも、トータルは悔しかった。(5位に)入りたかった」
 木原「チャンスがあったので、もったいなかったね」
 三浦「ごめんなさい(笑い)」
 木原「ドンマイ(笑い)」

 ――五輪個人戦フリーでここまでできた。
 木原「あと、もう一つ思い出したけど、個人戦でフリーに進むのが初めてだったので、6分間(練習)の最中にそれを思い出して、“今日は別に順位なんてどうでもいいんだ”って先生と話して、“僕は今日初めてフリーを滑れるんだ”って話を直前にしていたら、三浦さんが笑ってくれていたので、それも良かった」
 三浦「いや、あまり聞いてなかった(笑い)。でも、今日の練習来る前も、本番が始まる前も“フリーを滑らせてくれてありがとう”って言われて、龍一くんと組んで良かったと思った」

 ――団体戦が終わってからは楽しめていなかった?
 三浦「自分が一つミスしてしまうと順位も落ちてしまうので、絶対ミスはしてはいけないって思いすぎてしまって、全体的に良い練習はできていなかった」
 木原「こっち来てから?」
 三浦「団体戦が終わってから」
 三浦「でも、コーチも龍一くんも、どうにか笑わせようってしてくれていたけど、やはり心から笑うことはできなくて。今日の“全ミスでもいいんだよ”っていう言葉で私はここが最終地点じゃないんだと思った。次もあるし、その次もあるし。なので、もう、もう、たくさんの人に感謝している」

 ――今後に向けて目標が変わった?
 三浦「難しいな。(木原に向けて)どうぞ(笑い)」
 木原「今回、目標が5位だったけど、トータル順位では達成できなかった。ただ、この目標は実現不可能な目標ではないことが分かった。世界選手権では、まだまだトップとの差があるけど、メダル争いに食い込んでいけるようになりたいなって思うことは増えてきた」

 ――今日のフリーについて。
 木原「スコアシートを確認できてないので、やってきたレベルは取れていたかどうかは分からないけど、滑りだったり、トランジションのスピードは今シーズンの中で一番できたんじゃないかなと思う」

 ――ペアという競技としての認知度も上がったと思う?
 木原「う~ん。まだまだ僕たちが頑張らなければ、五輪という期間はいろいろなスポーツに皆様が注目してくれるけど、五輪が終わってしまったら結果を出さなければ、なかなか注目し続けていただくことは難しい。まだまだ自分たちが頑張らなければ、ペアっていうのは次の世代が出てこないと思う」

 ――インタビューでは「まだまだ走る」と話していた。
 木原「まだまだ、ここがゴールではない。世界と今、戦えるようになってきたので、まだまだ走り続けてゴールは先にあるかなと思う」

 ――4年後も五輪を目指す?
 木原「4年後も、8年後も目指したい」

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