岡崎真氏 坂本、心を揺さぶる演技の完成度は称賛に値する

[ 2022年2月19日 05:30 ]

演技を終えガッツポーズする坂本(撮影・小海途 良幹)
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 【フィギュアスケート斬る 岡崎真】坂本の良さが凝縮されたようなフリーだった。スピード豊かなジャンプは、着氷後の流れが全く途切れない。3回転ルッツこそエッジの使い方に軽微なミスがあったが、スピン、ステップを含めて全要素でGOE(出来栄え評価)による大きな加点を引き出した。高難度のジャンプだけではなく、見るものの心を揺さぶる演技の完成度もフィギュアの本質だ。その原点を改めて提示し、大舞台でSP、フリーともに自己ベストを更新。日本女子に再びメダルをもたらした大仕事は称賛に値すると思う。

 樋口はSPに続いてトリプルアクセルを成功させ、力を示してくれた。3―3回転の2つ目のジャンプの回転不足などを改善すれば、まだ得点も伸びる。河辺は好不調の波が激しい部分はあるが、大舞台の経験を糧に今後の成長を期待したい。

 日本勢の活躍がありながら複雑な気持ちになったのは、やはりワリエワの演技を見たからだろう。精神的な動揺は明らかで、これまでには考えられないミスが続いた。15歳の心情を察するとあまりに悲しい。そして、素晴らしい才能が再び発揮されることを願わずにはいられない。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2022年2月19日のニュース