“りくりゅう”の冒険は続く「ゴールは先に。4年後も8年後も」ペア日本勢初7位入賞

[ 2022年2月20日 00:22 ]

<北京五輪 フィギュア>ペア・フリー、演技を終え歓喜に浸る三浦璃来、木原龍一組(撮影・小海途 良幹)
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 北京五輪フィギュアスケートペアでSP8位の三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が19日、フリーで自己ベストの141・04点、合計も自己ベストの211・89点をマーク。SPから順位を1つ上げて7位となり、五輪の日本勢ペア初の入賞を果たした。

 トーループ、サルコーの3回転ジャンプこそ回転不足を取られたが、リフト3種で最高のレベル4を獲得。笑顔でステップを刻み、最後は万感の表情で抱擁した。「今までうまくいかなかったこと、つらかったこと、でも、今日できたという思いがあふれてきた」と木原。ペア転向後、女性を支える筋力を鍛えるために、食事やプロテインを過剰気味に摂取しては夜な夜な吐いた。木原が続けてきた努力が、結実した。

 木原が別のパートナーと組んだ14年ソチも18年平昌も、フリーには進めなかった。負傷もあり、引退も考えた木原は19年春に地元・名古屋の邦和スポーツランドの貸し靴コーナーでアルバイト。その夏に三浦からの提案でトライアウトに臨むと、「雷が落ちた。これが最後のチャンスかもしれない」と木原。気づけば、カナダに渡る準備を進めていた。

 結成3年目。コロナ禍も乗り越え、今大会は団体戦で銅メダルを獲得。個人戦ではフリーに進むことが当たり前になっていた。木原はフリー直前の6分間練習の最中に、これが初めてだと思い出した。演技直前、木原はコーチと三浦に言った。「今日は別に順位なんてどうでもいいんだ。なぜなら、今日僕はフリーを初めて滑れるから」――。最高の演技を終えて、三浦は感謝した。「本当に龍一君と組んで良かった」と。

 北京で新たな歴史を刻んだが、「5位」という目標は達成できなかった。「まだまだ僕たちが頑張らなければペアは次の世代は出てこない」と木原。3月には世界選手権も舞っている。木原は「本当に今、世界と戦えるようになってきた。まだまだ走り続けて、ゴールは先にある。4年後も8年後も目指したい」と誓った。“りくりゅう”の冒険は、まだ始まったばかりだ。

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