黒岩敏幸氏 連覇狙う菜那の鍵は佐藤との“コンビ”力 2人いれば作戦の幅広がる

[ 2022年2月19日 05:30 ]

調整する高木菜那(中央)と佐藤綾乃(同右)
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 【今日のツボ教えます マススタート・黒岩敏幸】マススタートの面白さは駆け引き。一斉スタートで16周した着順を競うわけだが、各選手けん制し合いながら、頭を使ってレースする。どの選手をマークするか、どこで仕掛けるか。無駄に力を使うと最後のスプリント勝負でついていけなくなる。力の配分を考えながら、勝負どころを見極める勝負勘や経験値が大事になる。

 日本は4年前と同じ高木菜那と佐藤綾乃の2人で臨むが、この種目では世界でも5本の指に入る実力者だ。前回金メダルの高木菜はスピードの上げ下げが得意。仕掛けるタイミングやコース取りのうまさは前回大会の結果が示している。佐藤は今大会1500メートルで4位となるなど、以前よりスピードがついている。2人とも最近の大会には出場していないが、経験豊富で個々の能力は上がっているので、面白いレースができると思う。

 海外にもこの種目を得意とする選手がいる。オランダは3000メートル、5000メートルの金メダリストで平昌五輪3位のスハウテンが中心だ。ショートトラックの練習を取り入れる韓国には前回2位の金ボルムもいる。彼女たちをしっかりマークしたい。

 マススタートはチーム戦の要素もあるため、2人いれば、おとりや風よけなど作戦の幅も広がる。4年前は1回戦で佐藤が転倒し、決勝は高木菜1人だった。まずは2人とも予選を突破して決勝に進みたい。団体追い抜きで転倒した高木菜はしっかり切り替えてくると思う。今回も金メダルのチャンスは十分ある。(92年アルベールビル五輪銀メダリスト) 

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