日本代表ロコ 金メダル王手!涙から1日、スイスに雪辱 20日午前10時5分から英国と決戦

[ 2022年2月19日 05:30 ]

北京冬季五輪第15日 カーリング女子準決勝   日本8―6スイス ( 2022年2月18日    国家水泳センター )

決勝進出を決め抱き合って喜ぶ(右から)鈴木夕湖、吉田知那美、藤沢五月、吉田夕梨花(撮影・小海途 良幹)
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 女子で世界ランク7位の日本(ロコ・ソラーレ)が、歴史を塗り替えた。1次リーグ最終戦で敗れたスイスとの再戦となった準決勝で、8―6でリベンジ。18年平昌五輪銅メダルを超える、銀メダル以上を確定させた。日本勢で初めて臨む、20日の決勝(日本時間午前10時5分開始)は、世界8位の英国と激突する。

 借りは即、返さねばならない。前日(17日)に敗れたスイスを、ロコが粉砕した。最終第10エンド、スキップ藤沢のラストショットがハウスの中心に寄る。その瞬間、平昌銅メダルを超える、史上初の銀以上が確定。歴史を塗り替え、藤沢は笑みを浮かべた。

 「まだ正直、信じられない部分がある。決勝という今まで経験したことのない試合に出られる」

 17日はミスに号泣した藤沢が、鮮やかに復活した。第5エンド、藤沢は1投目でハウス内の相手ストーンを2個同時にはじき出すダブルテークアウトを成功。スイスのミスでチャンスが拡大すると、2投目でも再びダブルテークアウトを決めて一気に4点奪った。第7エンドに3点奪われ、第9エンドには大量失点のピンチを迎えたが、藤沢がダブルテークアウトを連発して1失点で防いだ。

 昨年7月、チームはピンチを迎えていた。「チームがバラバラなんです」。長野県でのチーム合宿から4人が育った北海道北見市の自宅に戻ってきたリード吉田夕が、自身のメンタルコーチに告白した。さらなる高みを目指して互いに持ち寄る意見にずれが生じ、姉でサードの吉田知が引退も考えるほど追い込まれていた。

 それでも、何とか前を向いた。「チームスポーツなのでそれぞれ思うことはある」と吉田知。考えが食い違っても、一度は試す。ミスが起きれば、藤沢が「失敗することが分かった」と話すように、選択肢から外せばいい。納得して導き出した結論が、試合での自信や精神面の安定につながる。衝突は成長の起点となった。

 幼少期から4人を見守ってきた日本協会の松平副会長は「言い合ってもお互いに成長のためと思えるような仲になり、成熟した」と明かした。藤沢が15年にチームに加入し、現メンバーとなってから7年近くがたつ。北京でも苦しい場面はあったが、培ってきたチームワークで道を切り開いてきた。

 20日、大会最終日の決勝では英国と激突。「やることは変わらず、チーム全員で戦いきるだけ」と藤沢。喜怒哀楽の全てをファイナルの舞台で表現した先に、黄金の輝きは待つ。

 ▽1次リーグの英国戦 第1エンドにいきなり3失点するなど苦しい出だし。3―7の第6エンドにはスキップ藤沢のラストショットが、氷上のゴミの影響で急失速する不運もあり、4―10で敗れた。

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2022年2月19日のニュース