遠藤 照ノ富士のV阻止!千秋楽でなるか“史上最大の逆転劇”、3敗2人が勝てば96年九州以来の巴戦

[ 2021年5月23日 05:30 ]

大相撲夏場所14日目 ( 2021年5月22日    両国国技館 )

照ノ富士(左)を下手投げで破る遠藤(撮影・村上 大輔)
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 3敗の平幕・遠藤が1敗で単独トップだった大関・照ノ富士を軍配差し違えの末、下手投げで撃破した。2日連続の大関撃破で、大関・貴景勝とともに11勝3敗とし、優勝決定は千秋楽に持ち越しとなった。2敗となった照ノ富士は千秋楽の結びで貴景勝を破れば2場所連続4度目の優勝。3敗の2人がともに勝てば、96年九州場所以来の巴戦となる。

 優勝の行方を左右する土俵上での審判団の協議は、約3分半に及んだ。土俵際での際どい投げの打ち合い。顔を紅潮させて視線が定まらない照ノ富士とは対象的に、遠藤は穏やかな表情を浮かべるなど満足感を体全体に漂わせていた。静寂の中で照ノ富士の師匠、伊勢ケ浜審判長(元横綱・旭富士)は照ノ富士の肘が早くついていたと説明。勝ち名乗りを受けた遠藤は、わずかに舌を出して表情を和ませた。この日は取組後も珍しく取材に応じ「我慢して相撲を取って良かった」と頬を緩めた。

 相撲巧者らしく、緻密な戦略で強固な壁を崩した。右を深めに差し込んで、抱え込まれる前にかいなを返して大関を慌てさせる。巨体を横にさせて畳みかけるが、相手も体勢を立て直し土俵際で起死回生の小手投げ。遠藤は足を絡ませながら下手投げを打ち返した。作戦勝ちですか?の問いに「はい」とうなずいた。

 前日の貴景勝に次いで2日連続で土俵際の攻防を制し、大関を連破した。八角理事長(元横綱・北勝海)は「休まなかったね。しぶとく攻めた。大殊勲ですよ。100点ですね。今日は大殊勲です」。2度も「大殊勲」を口にする会心の勝利だった。

 かつての大関候補が意地を見せて優勝戦線に踏みとどまり、1差で迎える千秋楽は正代と対戦する。13日目終了時点での2差を逆転となれば大相撲史上初の快挙となる。「最後だから特別とかではなく、引き続き集中してやるだけ」。大関3連破で“奇跡の舞台”を待つ。

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