渋野、米ツアー長期転戦計画浮上 20日開幕全英女子出場から帰国せず

[ 2020年8月3日 05:30 ]

19年の全英女子オープン渋野。今年はこの大会から直接米国に渡りプレーする計画が浮上
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 20日開幕のAIG全英女子オープン(英国・ロイヤルトルーンGC)で日本人史上初の連覇を目指す渋野日向子(21=サントリー)が、10月第2週まで米ツアーを転戦する可能性があることが2日、分かった。今週中に渡英後は帰国せずに、直接米国へと移動。現地で推薦出場が可能な大会に参戦しながら、出場資格のある海外メジャー2大会に臨む。

 大西洋を横断し、英国から米国へ。渋野の長期米ツアー参戦プランが明らかになった。複数のツアー関係者によると、スコットランドでの全英出場後に渡米し、約2カ月にわたり海外でプレーを続ける計画を立てているという。

 今季は新型コロナウイルスの影響で、米ツアーの日程が大幅に変更となった。全英の3週後にANAインスピレーション(9月10~13日、米カリフォルニア州)、さらにその4週後には全米女子プロ選手権(10月8~11日、米ペンシルベニア州)が待ち受ける。通常であれば日米間を移動しながら参戦が可能だったが、現状では海外渡航者は帰国後に14日間の隔離が強いられる。日本に戻っても試合に出場できない期間が長くなってしまうため、渋野サイドは万全の状態で海外メジャーに挑む意向を持っている。

 一方で、米国はツアー選手の移動の規制が緩和されたばかり。米ツアー長期参戦プランが浮上したのは、米国で隔離なしにツアー参戦が可能となったことも大きい。さらに、来夏に予定されている東京五輪代表入りへ向けても現在12位の世界ランキングの維持が必要。同ランクへの加算ポイントの大きい米ツアーに参戦できるのは魅力的だ。

 渋野のマネジメント事務所は「あらゆる選択肢を検討しています」とコメントした。10月までの米ツアー参戦期間中に、国内ではメジャー2大会が開催される。苦渋の選択とはなるが、渋野は米ツアー参戦を目標に掲げ「この一年でもっと覚悟を決めて21年に米ツアーで戦いたい」と話していた。2カ月にわたる米ツアー出場は、その目標へ向けたステップにもなる。

 《コロナなお不安…世界ランク上位勢の不出場目立つ》ドライブオン選手権で5カ月半ぶりに無観客で再開した米女子ツアー。だが、世界ランキング1位の高真栄(コジニョン)や同3位の朴城炫(パクソンヒョン)ら上位の韓国勢は出場していない。現地報道によると、収束が見えない新型コロナウイルスへの不安が理由の一つだという。米女子プロゴルフ協会は、大会前に複数回のPCR検査を実施。これまでに選手2人とキャディー1人の陽性が確認された。同5位の畑岡奈紗も米国内の情勢や移動負担を考慮して出場を見送った。再開3戦目のスコットランド・オープンから参戦予定という。

 その中で迎えるのが、今季初のメジャーとなる20日開幕のAIG全英女子オープン。7月30日時点でエントリーした115人のうち、世界ランク15位以内の韓国勢は同11位の朴(パク)仁(イン)妃(ビ)だけ。日本勢では畑岡、昨季覇者で同12位の渋野らがエントリーした一方で、同15位の鈴木愛は帰国後の隔離措置などを考慮して出場しない。英国での大会もコロナ禍の影響を受けている。

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