データで見る八村の2戦目 難度の高い「右→右」のシュートをクリア 第2戦は初戦よりも進化

[ 2019年10月26日 12:15 ]

右に移動してジャンプシュートを決めるウィザーズの八村(AP)
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 ウィザーズの八村塁(21)は初戦のマーベリクス戦と第2戦のサンダー戦で計5回、ゴール下でのシュートをブロックされている。マーベリクスのクリスタプス・ポルジンギス(221センチ)、マキシー・クレバー(206センチ)、サンダーのシェイ・ギルジャスアレクザンダー(196センチ)、テランス・ファーガソン(198センチ)といった面々が、八村の試みたシュートを阻止。ゴンザガ大時代、ゴール下は自身の存在感を示すことができる“テリトリー”だったが、NBAでは自分の身長(203センチ)よりも低い選手であっても、自由にさせてもらえない試合が続いている。

 その一方でポストアップしなくても得点できるパターンが目立ってきた。右利きの選手が右サイドにドリブルして体勢を右寄りに崩しながら打つプルアップのジャンプシュートは、左寄りに移動して打つシュートよりも難度が高くなるが、この日はこれを3本成功。第2Qの残り2分と、残り27秒に放った2本は右にドリブルで移動してジャンプしたあと、空中で右に傾いた体勢を左寄りに戻しながら成功させたシュートで、試合を中継していた現地テレビ局のアナウンサーも「新人にはとても難しいショットだが彼は楽に決めた」とその技術の高さに感嘆していた。

 3本目の「右→右」は83―83の同点で迎えた第4Qの残り4分9秒。左サイドから正面やや右にドリブルで回り込んだとき、マッチアップしていたダニロ・ガリナリ(208センチ)はかなり間合いを詰めており、セットしてシュートできないと判断した八村は右手だけによるフローター気味のシュートをねじ込んでいる。とっさの判断とは言え、ウィザーズの背番号8はどんな状況でもきちんと相手の動きに対応していた。しかもウィザーズはこのプレーを機に連続14点。試合の流れを変える得点を「技術満載」のショットで決めたあたりも、初戦とは違う評価ポイントだった。

 ゴール下では自由にさせてもらえないが、その分、違ったエリア、違ったパターンで仕事ができるのはスコット・ブルックス監督(54)が認める八村の優れた能力のひとつであり、これがある限りかなりの成績を残せるポテンシャルを開幕からの2戦で示している。3点シュートは2試合で7本放ってまだ1本も決まっていないが、ローポストからの左手によるショート・フックや、ステップバックからのジャンプシュートも成功。ロングレンジからのシュートが入りだすと、それは新人という領域を超えたNBAトップレベルに達する可能性が漂っている。(高柳 昌弥)

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