【砂村光信のMust See】NZ“全員の観察力” イングランドは組織的守備が鍵

[ 2019年10月26日 09:16 ]

<ニュージーランド代表練習>雨の中、スクラムを組むニュージーランドFW陣(撮影・吉田 剛)
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 ラグビーW杯は26、27日に日産スタジアムで準決勝2試合が行われる。史上初の3連覇を狙うニュージーランドは03年大会以来16年ぶりの世界一を目指すイングランドと、準々決勝で日本を退けた過去2度優勝の南アフリカは欧州6カ国対抗王者のウェールズと対戦する。いずれも「北半球VS南半球」となった2試合をスポニチ本紙評論家の砂村光信氏(60=元U―23日本代表監督)が展望した。 試合日程

 <ニュージーランド―イングランド>プレーの精度が高いニュージーランド(NZ)が有利だ。ボールを回すスピードが速く、オフロードでも長いパスを放る上に、パスが乱れても常に誰かがフォローに入っているためミスがミスにならず、逆にチャンスに変えてしまう。南半球ならではの厳しいプレッシャーを受けながらのプレーに慣れているだけでなく、FWもバックスもユーティリティー性があり全員が常に目を動かしながら動いているのが分かる。

 イングランドは個々の能力は高いが、動きは直線的。変幻自在のNZのアタックに対し、CTBとWTBが目を動かしながら組織的に守れるか。前で止めれば大型FWが前へ出られる。ミスと反則を減らしてロースコアに持ち込みたい。

 <南アフリカ―ウェールズ>どちらもディフェンスが持ち味だが、選手層の厚さでは圧倒的に南アだ。リザーブに6人を入れたFWは主力級が14人いるようなもの。負傷者が多くリザーブの力が落ちるウェールズはCTBのJo・デービスもケガ上がりで、どこまでもつか。試合の大半を敵陣で進め、SOビガーがDGを含むキックでコツコツと得点を稼ぐ展開になれば勝機がある。(元U―23日本代表監督)

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