姫野 怪力サモア討ち!地元愛知で凱旋トライ「最高でした」

[ 2019年10月6日 05:30 ]

ラグビーW杯2019 1次リーグA組   日本38-19サモア ( 2019年10月5日    豊田ス )

<日本・サモア>後半、中央突破を試みる姫野(中央)=撮影・成瀬徹
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 姫野コールが起きた。2度もだ。後半に大暴れ。豊田スタジアムの大観衆は、地元愛知が生んだヒーローを大声援で称えた。

 「最高でした。地元から愛されていると、実感した。お世話になった方がたくさんいる。自分のプレーを出そうと思った」

 16―9の前半はチームとして停滞した。「形がつくれなかった。僕らの反則が多く、流れをつかめなかった」。巨体軍団の肉体バトルに手を焼いたが、折り返してから、チーム一の怪力を発揮した。13分、ラインアウトからのモール。バックスも加わり、敵味方が入り乱れる中で、インゴールに強引に押さえた。

 「自分が行く戦術だった。みんなが取らせてくれた。W杯初トライなので、うれしい」

 直後のゴール前のピンチでは、味方のタックル後にボールに絡む得意の「ジャッカル」で反則を奪い、危機脱出。8月の網走合宿で左足首を捻挫。全治2週間の負傷で状態が心配されたが、3戦連続の先発フル出場。攻守で勝利に導いた。

 将来の夢は「日本代表のキャプテン」と、キッパリ言う。決して大風呂敷ではなく、その歩みはリーダーにふさわしいものだ。トヨタ自動車入社1年目に主将に抜てきされた。指名したのは、07年W杯で母国の南アフリカを優勝に導いたジェイク・ホワイト氏(55)。世界的名将から英才教育を受けている。

 バラエティー番組に出演した際には注文を付けられた。「それも日本の文化かもしれない。でも、リッチー・マコウは出ない。王道を歩め」。ニュージーランド代表主将としてW杯2連覇に導いたスーパースターを引き合いに出されるほど、人間性を見込まれている。

 1次リーグ最終戦となるスコットランド戦に向けては「必ず勝ちます。全勝のいい流れで決勝トーナメントに行きたい」と宣言。規格外のパワーと、優れたリーダーシップを持つこの男が、近い将来ジャパンを背負う。

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