限界を超えていた…中島＆ヴァル、魂の献身　スクラム支え、BP獲得支えた!

ラグビーW杯2019　1次リーグA組   日本38-19サモア （ 2019年10月5日    豊田ス ）

＜日本・サモア＞モールを押し込む（左から）中島、ツイ、ラブスカフニ（撮影・吉田　剛）
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　ヴァルも、中島も、とっくに限界を超えていた。ラスト1プレー。サモアはスクラムを選択。最後の力勝負が始まった。フッカーの堀江の横に途中出場の両プロップがセット。切り札で構成された日本の固まりが屈強なサモアを一気に押し込み、ボーナスポイントの呼び水になった。中島はその場から動けない。「全力で押した。絶対、ボーナスポイントを獲りたかった」と振り返ったヴァルが、その両肩を支えた。

　日本のスクラムは誰が出ても強い。それを象徴するのが、トンガ出身で同い年のヴァルと中島だ。同国U―15時代はヴァルがNo・8で、中島がプロップ。ジャパンではNo・8の中島がプロップへと転向し、気心知れた2人がフロントローを形成することに。中島は流通経大から来日。ヴァルは埼玉工大時代、白菜農家でアルバイトしながら努力を重ねた。「2人で支えながらやってきた。夢がかなった」とヴァル。後半11分に投入された2人は、息の合ったダブルタックルでも貢献した。

　W杯期間中も同じ部屋で過ごす2人はサモアとの決戦前夜に誓った。「今までやってきたことを組めれば大丈夫」。存在意義を確認し合った2人の存在がなければボーナスポイント加算はなかった。
　先発15人だけでない。まさに「ONE　TEAM」で、史上初の8強へ前進した。