【砂村光信 視点】流れ呼ぶ田村&田中の判断力 諦めず戦ったサモアに敬意を

[ 2019年10月6日 08:39 ]

ラグビーW杯2019 1次リーグA組   日本38-19サモア ( 2019年10月5日    豊田ス )

<日本・サモア>後半、激しくプレッシャーをかける田中(撮影・成瀬 徹)
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 途中まで競り合う展開で、ベテラン2人の巧みな判断力が流れを引き寄せた。後半最初のモールでのトライを演出したのはSO田村の視野の広さだ。直前のプレーで足がつっていた相手WTBの裏を狙うキック。WTBはボールを確保するのが精いっぱいでタッチへ出てしまい、ゴール前で日本のラインアウトになった。また、SH田中は途中出場した直後の相手ボールのラックで、勢いよく飛び出して相手SHをつぶした。ボールが出てから反応しても届く距離ではない。ベンチにいる時からSHのクセを見ていたと思われる。

 今大会の日本はスクラムもラインアウトも非常に安定している。ただ、キックオフのディフェンスだけは安定していない。この試合で相手に深く蹴られたボールをキャッチしていたのはWTBのレメキ。体が強く前へ行けるからだろうが、ボールを落とすなど同じWTBの福岡に比べプレーが安定していない。スコットランド戦以降へ修正が必要だろう。

 ラストプレーで日本が4トライ目を取れたのは、サモアが7点差以内の負けを狙って果敢に攻めた結果だ。W杯ならではのケースではあるが、最後まで諦めずに戦ったサモアに敬意を表したい。(元U―23日本代表監督)

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