小祝 65で逆転!黄金世代8人目“孝行娘”母へ贈る初V

[ 2019年7月22日 05:30 ]

女子ゴルフツアー サマンサタバサ・レディース  最終日 ( 2019年7月21日    茨城県 イーグルポイントGC )

小祝さくら(右)は初優勝を飾りゲストの板野友美と優勝プレートを手に笑顔を見せる(撮影・西尾 大助)
Photo By スポニチ

 2打差を追って2位で出た小祝さくら(21=ニトリ)がイ・ミニョン(27=韓国)との激しいバーディー合戦を制した。ボギーなしの7バーディーと満点の内容で逆転。大会レコードとなる通算17アンダー、199で初優勝。黄金世代では8人目の勝利となった。

 初優勝につきものの涙も、ガッツポーズもない。小祝はただ照れたような笑顔を見せただけ。約10センチのウイニングパットも普段と同じようにあっさり決めた。「(涙は)出ませんでしたね。ガッツポーズはどうやるか分からず結局、やめました」。会見では周囲も拍子抜けするほど、淡々とした言葉が続いた。

 そんな本人に代わり涙を見せたのは女手一つで小祝を育ててきた母・ひとみさん(39)だ。昨年から全試合に同行してサポート。「素晴らしいです。今年はミスしてもカバーできている」と喜び、「ゴルフも普段も落ち着いている。泥くさくて3テンポ遅いんです」と娘の性格を語った。

 おっとりタイプでもイ・ミニョンとの戦いは譲らなかった。バーディー発進後の2番。5メートルのバーディーパットがわずかに届かないと、「絶対にショートしてはダメ」と自分に言い聞かせ、その後、スコアを伸ばした。1打差を追った10番でバーディーを奪い、ライバルがボギーで逆転した時も「まだ10番、自分のプレーをするだけ」と油断することなく1打差を守り切った。

 16年、アマチュアで出場したニッポンハム・レディースで優勝争いを演じて注目され、17年のプロテスト合格後も黄金世代を代表する一人だった。これまで2位4度で、同世代に先を越されても「いつかは自分も」とマイペースを貫いてきた。

 7度目の最終日最終組でつかんだ勝利。それでも、人生で一番うれしいですか?との質問に「ゴルフでは今日ですが、昨年4月にBTS(韓国のポップグループ)のコンサートの席が取れた時(が一番)です」と返した。最後まで“らしさ”いっぱいの会見だった。 

 ◇小祝 さくら(こいわい・さくら)1998年(平10)4月15日生まれ、北海道北広島市出身の21歳。宮里藍のファンだった母親の影響で8歳からゴルフを始める。飛鳥未来高卒業後、17年にプロテスト合格。18年は未勝利ながら賞金ランク8位に入り、LPGA新人賞、日本プロスポーツ新人賞を受賞した。1メートル58、58キロ。血液型A。勝負カラーは黄色。

続きを表示

この記事のフォト

2019年7月22日のニュース