豊ノ島 13場所ぶり関取復帰 亡き弟弟子を思いしみじみ「時天空が後押ししてくれたのかな」

[ 2018年9月26日 17:53 ]

豊ノ島は13場所の関取復帰の喜びを沙帆夫人、長女・希歩ちゃんと分かち合った
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 大相撲九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)の番付編成会議で、豊ノ島(35=時津風部屋)の13場所ぶりの関取復帰が決まった。35歳4カ月での関取返り咲きは、戦後6番目の年長記録。豊ノ島は私用で訪れた時津風部屋で取材に応じ、「(再十両は)番付に載らないと実感は湧かないが、うれしい」と笑顔を見せた。

 新十両は20歳だった2004年夏場所。「その時もうれしかったけど、泣くほどうれしかったかというと、今回の方がいろいろとあったから」と喜びはひとしおだ。東前頭11枚目だった16年名古屋場所の前の稽古で左アキレス腱を断裂し、そこから2場所連続全休で幕下に落ちた。すぐに復帰できると見られていたが、度の負傷もあって幕下生活は丸2年に及んだ。「若いころは怖いもの知らず。今回は(今年春場所から)負け越したら引退と思ってやっていたから。引退と隣り合わせのプレッシャーは計り知れなかった」と振り返った。

 幕下に落ちた後の17年1月には、4歳年上ながら弟弟子に当たる元小結・時天空の間垣親方が悪性リンパ腫のため37歳の若さでなくなった。豊ノ島は6日目の十両・常幸龍戦が取り直しになった後、「花道の方を見ながら、時天空のことを思い出した」という。取り直しの一番を制して勝ち越しを決め、十両復帰に大きく前進し、思わず涙を流した。「つくり話みたいで言うのが嫌だったけど。自分の形ではない右四つで寄っていったし、時天空が後押ししてくれたのかな」と感慨に浸った。

 家族の存在も大きな支えとなった。心が折れそうになった時には、沙帆(すなほ)夫人(37)から励ましの言葉をもらい、長女・希歩ちゃん(6)からは「相撲やめないで」と言われてきた。秋場所は6勝1敗で終え、千秋楽には沙帆夫人と一緒にうれし涙を流したという。「ケガをして入院した日に、病院で泣いた。次に泣く日は(関取に)戻って泣こうと言っていた。その夢がかなって良かった」。この日は夫人と長女も時津風部屋を訪れ、あらためて喜びを分かち合った。

 再十両が決まって、新十両でつけたものと同じ黒の締め込みが贈られることも決まった。苦難を乗り越えるまでに、白鵬、高安、琴奨菊らの胸を借りることがあった。「稽古で肌を合わせたことが励みになった。恩返しは、対戦できるところまで戻って、対戦して勝つこと」。関取復帰は通過点。35歳の目標は、もっと先にある。

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