改革の志半ばで…貴親方、景子夫人は「無言でうなずいた」 新団体設立は「ありません」

[ 2018年9月26日 07:46 ]

報道陣の質問に答える貴乃花親方(撮影・三島 英忠)
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 大相撲の貴乃花親方(46=元横綱、本名・花田光司)が25日、日本相撲協会に引退(退職)届を提出し都内で会見を開いた。引退の理由として内閣府に提出した告発状の内容を事実無根と認めるよう、相撲協会から有形、無形の“圧力”があったと主張。改革を志した大スターが志半ばで相撲人生に終止符を打つことになった。

 【貴親方に聞く】

 ――有形、無形の要請とは?

 「正式な書面はない。ある役員から今場所の後半に、そのような話を聞いた。それ以前には記者さんから聞いたレベル」

 ――一門に所属することは考えたか?

 「もし入れるとしたらどこかな、ぐらい。(誘いの声は)頂いていました。単に所属するだけならできたかもしれないが、(告発状の内容を)事実無根と認めることはできなかった」

 ――引退以外の選択肢はなかったのか?

 「弟子たちが土俵で活躍することが、何より最優先。知らず知らずのうちに萎縮して、ケガをしたりすることは避けたかった」

 ――まだ引退届は受理されていない。協会に残る可能性は?

 「ございません」

 ――八角理事長と話し合うことはないのか?

 「正式な通達を直接頂いていれば、かなったかもしれないが、直接通達されたことはなかった」

 ――協会と戦ってきて、敗れたとの思いは?

 「敗北であっても、土俵に携わって生きていくことを念頭に置きたい。戦う姿勢はございません」

 ――協会改革を訴えてきたが?

 「もう引退届を出している。かなわぬものだと思います」

 ――新団体の設立は?

 「ありません」

 ――弟子に対する思いは?

 「無念といいますか、悲しい思いです。今朝、全員に初めて話をした。涙する子がほとんどだった。師匠ではなく、お父さんのような気持ちで側面から見守っていく。連絡は取り合える。精神的に支えたい」

 ――弟子とは?

 「我が子、それ以上の存在です」

 ――今後どう相撲に関わっていくか?

 「できる限り住まいの土俵は存続させたい。入門希望の少年に携わって、入門する子を増やしたい」

 ――前日のHPでメッセージを載せた。

 「最終的に決断したのは今朝早く。深い意味で書いたわけではない」

 ――家族に相談は?

 「私自身で決断しました。(おかみさんは)黙って無言でうなずいてた」

 ――先代にはどう報告する?

 「毎日、仏前に手を合わせて見守ってくださいとお願いしている。今日までで終わりますと報告したい」

 ――今後の協会に望むことは?

 「若い力士や力のある力士が成長していく姿をたくさんつくっていただきたい」

 ――何が無念か?

 「弟子に寄り添って指導できないことが無念です。私個人で活動してきたことは無念ではない」

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