低くなった健常者と障がい者の“壁” パラへと続く感動や興奮

[ 2016年9月1日 11:20 ]

8月、リオ五輪日本代表選手団帰国時会見で笑顔で話をする萩野公介(前列左)と内村航平

 リオデジャネイロ・パラリンピックがいよいよ9月7日に開幕する。まだまだ一般的な関心度が高いとは言えないが、20年東京五輪・パラリンピックの開催が決まり、メディアの注目度は高まっている。NHKは今回のパラリンピックを連日放送する予定だ。

 アスリートの中でもパラリンピックに対する意識が変わってきているように思う。8月25日に五輪メダリストが全員集合した帰国会見では印象的な出来事があった。メダリストとして一番最初に壇上であいさつした競泳男子400メートル個人メドレー金メダリストの萩野公介(東洋大)は五輪の感想をひととおり話した後、「これからパラリンピックが始まります。応援してみんなで戦えたらいいなと思います」と締めくくったのだ。その後もパラリンピックに言及するメダリストが数名続いた。

 後日、萩野に発言の真意を聞いてみると「出場する知り合いの選手もいますし、僕たちも応援してもらっていますからね」とサラリと答えた。彼にとっては当然のことだったのかもしれいない。近年、競泳は五輪代表選手が主に使用してきた国立スポーツ科学センターのプールで、パラリンピック代表選手も練習する。5月に行われた五輪代表の壮行会にはパラリンピック代表選手も参加した。健常者と障がい者のトップスイマーが交流する機会は増えている。また、ロンドン五輪男子200メートル平泳ぎ銅メダルの立石諒とパラリンピック代表の山田拓朗をともに教える高城直基コーチのような指導者も出てきた。両者を隔てていた壁はどんどん低くなっている。

 ちなみに萩野の今大会イチ押しのパラスイマーは、現役復帰して3大会ぶり5度目の出場となる46歳の成田真由美(50メートル自由形など)だ。「あの年齢で戦えるなんて、僕には考えられない。努力して復帰して水泳が本当に好きなんだと思う。勝ち取ってほしいな」。金15個を含むメダル20個を持つレジェンドに21個目のメダルを期待している。

 五輪メダリストがパラリンピックの盛り上がりに一役買う。パラアスリートにとってもこんな心強いことはないだろう。感動や興奮は五輪で終わりじゃない。一般のスポーツファンにそう思ってもらえる12日間になることを願っている。(柳田 博)

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