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中華で豪華マハタの清蒸 “年間高級魚”いただき~

[ 2020年12月16日 07:20 ]

何とか召し捕ったぞ!よだれが出そうだ                              
Photo By スポニチ

 【一釣一品食べま専科】マハタを食す。中華風に蒸してね。マハタとくれば勝浦松部・信照丸。釣れている。旬は夏だ、いや脂の乗りは冬だって諸説ある。どっちが好みかは別に年間高級魚ってとこか。(スポニチAPC・町田 孟)

 かの開高健大先生がかつてにたまった。「中国人はハタを見れば蒸しにかかる」。清蒸(チンジョン)石斑魚(セッパンユー)っていう広東料理ね。キジハタ、アカハタ、マハタでもいいらしい。

 マハタは生まれてしばらくはメス。年季が入って10キロを超えるまでに成長すると、ほとんどがオスになっている性転換魚なんだ。魚類の500種はこの手らしい。人さまの世界でも似たようなケースはある。まっ、あちらとはちと違う意味合いだ。食うかって?わしゃ遠慮しとく。

 【釣戦】オモリ80号でイワシ泳がせ。鼻掛けか、口から上アゴに抜いて付ける。吉野勉船長は「1にも2にもタナ。今は4、5メートルくらい」。頻繁に底ダチのアナウンスが入る。根が荒いので、その都度底からタナを取り直す。「最初の当たりはじっと我慢。早合わせはすっぽ抜けるよ。2、3回ググッと引き込んでから合わせな。焦らず悠然と」。

 言いつけ通りにやっていりゃ間違いないんだけどさ。せっかちなもんでバラシを見られちゃった。「置き竿にしてガンガン引くまで見てりゃあいいんだよ」。怒られてくじけそうな心を奮い立たせ、最後の流しでなんとか1匹追加。若船長の達哉さんに合わせ時を合図してもらったおかげだ。

 【クッキング】下準備が手間取るので段取り良くね。内臓を処理したら2、3日寝かせてから台所へ。

 (1)ウロコは細かいから丁寧に引くこと。くさみ抜きの塩を振って10分。汗をかいたらサッと洗い流して拭き取る。

 (2)ショウガの千切りと薄切りを4、5枚。白髪ネギをたっぷり、好みで香菜も。

 (3)魚の側線に沿って切れ目を入れ軽く塩コショウ。皿にネギの青い部分を敷き、その上に乗せる。身にショウガの薄切りを並べる。紹興酒を大さじ3杯振り掛け強火で15分ほど蒸す。魚が大きい場合は2つに切って。

 (4)蒸し上がったら別皿へ。皿にたまったエキスを鍋に移し紹興酒2杯、しょう油、コショウ、砂糖少々で味を調え魚にかける。

 (5)白髪ネギとショウガの千切りをその上にこんもりと乗っける。小鍋でゴマ油を煙が立つくらいに熱しネギ山へジューッ。

 ウキウキ顔の家人「フフフッ。まずネギの香り、次にスープ味。身はしっとり。三段締めね」。おい!意味分かってるの。おつむもかなり年季が入ってきたんじゃあ…。

 ○…ティラノ?いやタチウオの頭蓋骨。十数年前に動物の骨格ばかりの写真集「BONES」(早川書房 写真・湯沢英治 文/構成・東野晃典)に出合った。爬(は)虫類、両生類、鳥類、魚類などの骨体美が強く印象に残っていた。“コロナ自習”でふと、魔が差した。「タチの頭だけでも」。図工の成績は2で不器用な上に老眼。無謀な挑戦は3度失敗の末やっとそれらしきものができた。

 根気の作業だった。5分ほどゆでて身肉を軟らかくしたら目玉など大まかな箇所をそぎ落とす。ビンに水を張り家庭用漂白剤をキャップ1杯。半日~1日漬け込む。それ以上だと軟骨が溶けバラバラになってしまう。溶液から取り出しピンセット、つまようじなどで細かい部所をほじくり出す。あの拡大ルーペも一役買った。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、勝浦松部・信照丸=(電)0470(73)3483。午前5時半集合。乗合料金1万2000円(生きイワシ、氷付き)。

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