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ザクザク15匹!!カワムツに夢中 本命及川はお預け

[ 2020年11月7日 14:55 ]

フライでカワムツを釣り上げた筆者
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】渓流が禁漁になってはや1カ月、各地のニジマス冬季釣り場がオープンしている中、私は地元、東京・あきる野市周辺で地味なフライフィッシングをしました。それはオイカワ釣りです。おそらくフライの対象魚の中でオイカワは最も小さく、体重も軽いので一番番手が低いロッド、すなわち0番が最適かと誰もが考えます。

 しかしわが家にある0番は米国製で、細くて軽いラインを使い、水面が滑らかな流れで神経質なマスを狙うというデザインになっていますから、結構張りのあるものです。1番も同じです。

 そこで使ったのがダイワ「アルトモアXの」2番(2・5メートル)でした。このロッドは極小のユスリカなどを食べるヤマメを釣るためのものです。そのため小さいフライに極細ティペットを使うと合わせ切れしやすいものです。それを防ぐためにごく軟らかく作られているのです。そのロッドに2番ラインを組み合わせて釣りをしました。リーダーは7X2・7メートルの先端にサンライン「トルネード鮎」0・3号を60センチほど継ぎ足しました。

 フライは20番という5ミリほどの小さなミッジというユスリカフライです。

 場所は近所の平井川です。車で約10分。日の出町役場の裏に到着しました。川に着いて準備を終了し、午前11時釣り開始。ところが慣れていないせいかミッジが見えません。

 そこで流し毛バリのように釣ってみようと、釣り下ることにしました。河岸を歩くと、私の足音に驚いたのか、オイカワらしき魚がたくさん逃げ惑います。

 脅かせてはいけないと次のポイントではそっと近づいても釣れません。フライラインの着水音で逃げ回ってしまいます。
 これではいけないと、作戦変更、入川地点まで戻って今度は釣り上ることに。景色も一変し、これが東京の川なのかと感心するほどいい流れが続きました。それでもなかなか釣れませんでしたが、ある地点を通り過ぎると、魚が釣れ始めました。しかし全部カワムツです。カワムツは関西由来の魚です。元々、多摩川水系にいた魚ではありません。

 下流で見たたくさんの魚影も、実は全部カワムツだったのでしょうか?多摩川にはいろんな魚がいろんな場所から移植されています。私の記憶では15年ほど前にはオイカワもウグイもたくさんいたのですが。この平井川もカワムツにおき変わってしまったのでしょうか?

 しかしながら、カワムツのフライへの反応はいいものです。同じ大きさならオイカワよりカワムツの方が、口が大きいので釣りやすいとも思いました。

 ヤマメ釣りのように上流に向かってキャストし、自然に流していくと次々にアタックしています。魚は小さいけれども夢中になりました。途中から釣れ始めたのは、人為的影響か時間的影響かどうかは分かりません。

 何カ所かではライズ(水面で捕食する)を見つけ、それに向かってフライを投げると直ちに食いついてきた楽しい時もありました。もしかしたら、ユスリカが大量に羽化する夕方にやれば、下流のポイントでも入れ掛かりがあるのかも。と考えながらも午後1時半、15匹ほど釣ったころ、おなかがすいてきたので終了しました。(東京海洋大学客員教授)

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