のべ竿でコイと格闘 リールの便利さ実感 30メートル以上走らされ10分以上かけてゲット

[ 2019年12月21日 07:36 ]

なんとか上げたのは良型だったが…
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】いつも鯉はフライフィッシングで釣っていますが、これをのべ竿でやったらどうなるんだろうかと興味が湧きました。

 家にあったのべ竿で一番硬いものを取り出してやってみました。ちょっと古いのですが、ダイワの万能竿「波紋硬調18(5・4メートル)」です。

 友人が浅川へ鯉を釣りに行く時に同行し、のべ竿を試すことにしました。友人のフライにはすぐに60センチを超える魚が掛かりました。私の波紋の蛇口に道糸20ポンド(5号)をユニノットで直結、手尻は60センチほど取りました。これにがまかつ「管付き鯉」12号。餌は食パンです。竿、糸、ハリというだけのシンプルな仕掛けです。

 寄せ餌にパンをまくと、下流の方で鯉がパクパクやる姿が見えました。フライならラインを伸ばして十分に届く距離でした。しかしのべ竿だとそこまで届きません。竿の長さと糸の長さを合わせて12メートルですから、それより遠くには餌が届かないのです。これは誤算でした。

 池の縁に座ってヘラブナ釣りのように餌を打って寄せて釣る方法なら、魚はウキの真下に来るので釣ることができますが、川は流れているので餌は自分からどんどん離れていき、ハリのついた餌が届かない場所で悠然と餌を食べているのです。

 ゆっくりと浅い川の中を歩きながら、その場所まで流していくと、こちらの姿を察知して逃げてしまいました。

 いくつかのポイントでこんなことが続いた後、反転流がある場所でパンを投げたところ、のべ竿の射程範囲内に鯉が出てきたので、仕掛けを投入、糸がついている側から鯉が接近すると見破られてしまうのはフライも同じ。

 下流側から、つまり糸が見えない位置から食ってきてくれと、願いながらの第3投。鯉がハリ付きパンを吸い込みました。完全に口の中にパンが消えたのを確認してからロッドを立て、フィッシュオン。そこからロッドを90度に立てていくはずが、いきなり強烈な力で下流に走りだしました。

 ロッドが45度以下の状態ではラインが切られてしまうので、なんて考える暇もなく、私は川の中に入り、下流に向かってジャバジャバと水しぶきを出しながら走ってついて行きました。

 最初のひとのしは、15メートルほどで止まり、魚は上流へ泳いで行きました。ここでロッドを立て角度を保って応戦しましたが、やはり引きは強く、さらに下流に下った時はタメていたら折れるのではないかと恐怖心にかられ、また走ってついて行きました。そこまで来ると流れも弱くなり鯉はグルグルと周囲を泳ぎ始めました。

 竿は限界まで曲がっているのでなかなか魚は寄ってきません。そこで弱らせ、空気を吸わせ、ゆっくり糸をつかんで引き寄せました。おそらく10分以上たっていたでしょう。ラグビーボールのような鯉を抱え、ハリを外してリリースしました。掛けた場所からは30メートル以上下っていました。

 今回は掛けた場所が走ってついて行けるところだったので切られず、折られず済んだのかもしれません。キャッチした直後の感想は「二度とやるまい」でしたが、写真や動画を見ながらこうして原稿を書いている時は、折れるまでやってみようかなという気になっています。それにしてもリールって最強の武器だと痛感しました。(東京海洋大学客員教授)

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る