「ダークダックス」遠山一さん死去 93歳 男性コーラスグループ草分け、4人全員天国へ

[ 2023年9月26日 05:00 ]

男性コーラスグループのダークダックスの(左から)高見沢宏さん、佐々木行さん、喜早哲さん、遠山一さんの4人が合唱する

 男声コーラスグループ「ダークダックス」でバスを担当し、「ゾウさん」の愛称で親しまれた遠山一(とおやま・はじめ、本名金井政幸=かない・まさゆき)さんが22日午後10時4分、慢性心不全と老衰のため東京都の病院で死去した。93歳。東京都出身。男性コーラスグループの草分けとして音楽史に残るグループは、メンバー4人全員がこの世を去った。

 所属事務所によると遠山さんは、今年4月までは後援会の集いなどに出席。参加者と歌うなど元気に過ごしていた。7月に肺炎を患い入院。関係者は「年齢的なものもあり、老衰が進行した」と説明した。

 群馬県館林市にある「ダークダックス館林音楽館」のスタッフ・坂口広志さん(42)は「今年1月にお会いしましたが、歌う時には現役時代さながらの声で声量もあり、大変お元気でした」と振り返った。子供の頃から大柄で穏やかだったため「ゾウさん」と呼ばれるようになったそうで「愛称のようにどっしりと大らかな人柄でした」としのんだ。

 1951年に慶大の男声合唱団「ワグネル・ソサィエティー」所属のメンバー2人とダークダックスを結成。翌年、4人組となり男声四重唱団として人気を集めた。ロシア民謡や童謡など幅広いジャンルをレパートリーに活躍。代表曲は「ともしび」「雪山讃歌」「北上夜曲」「山男の歌」「銀色の道」など多数。58年の第9回NHK紅白歌合戦に、ソロ歌手ではない、初のグループとして出場した。93年に4人で紫綬褒章を受章した。

 「4人で一つ」の思いが強く、97年にリードテナーの佐々木行さんが体調を崩して療養に入った後も新メンバーを入れなかった。坂口さんは「天国で、4人でいいコーラスを響かせているでしょう」と話した。

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