藤井王将 前人未到8冠へ王座戦「自然体で」 4年ぶりファン参加ニコニコ就位式

[ 2023年5月9日 05:30 ]

ファンと笑顔で記念撮影する藤井王将(撮影・河野 光希)
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 将棋の第72期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)で2期連続2度目の王将位に輝いた藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋王、棋聖含む6冠=の就位式が8日、東京都文京区の東京ドームホテルで開催された。謝辞で藤井は「シリーズの経験を成長につなげられるよう今後も取り組んでいきたい」と述べた。

 4年ぶりに一般ファンの入場が可能となり、関係者を含め約200人に囲まれた藤井は終始リラックスした面持ちだった。「これまではコロナ禍で盛大に就位式を行うことがなかなかなかった。今回は本当に多くの方に来ていただき、就位式を公開していただくのはとてもうれしかったです」。式では就位状や記念品贈呈のたびにポーズをつくり、ファンのスマホにノーマスクでほほ笑む。この上ないサービスの大盤振る舞いに祝賀ムードは頂点に達した。

 1~3月の7番勝負は通算99期のタイトル歴を誇る羽生善治九段(52)との夢対局。第4局を終え2勝2敗と期待にたがわぬ大熱戦を展開した。続く第5、6局を連取し初防衛したが「羽生九段の大局観を今まで以上に深く感じました」と振り返る。特に敗れた第2局については「中盤からこちらの読みにない手順でリードを取られ、非常に印象に残りました」と、敗局を自らの糧とする姿勢も改めて示した。収穫の多いシリーズだったに違いない。

 3月には棋王戦を制し、史上最年少6冠。現在は名人戦と叡王戦のダブルタイトル戦真っ最中だ。そして10日には王座戦挑戦者決定トーナメントに突入する。前人未到の全8冠制覇を達成するためには落とせない戦いだ。

 その王座戦、実は相性が悪い。初挑戦の66期(17~18年)はベスト4まで進出したが、以降は昨年までなんと1勝4敗。初戦負けが3局もある。「19年から時間計測が(1分未満も実測される)チェスクロック方式になり、終盤に時間が逼迫(ひっぱく)するケースが多かった」と冷静に分析する一方「チェスクロックは残り時間が少なくなってからが早い。今回は時間配分に気をつけます。対局そのものは自然体で」と静かな意欲も見せた。

 祝賀の時間はこの日で終了。さらなる高みを目指す王将の新たな戦いはすぐ始まる。

 藤井王将との一問一答は以下の通り。

  ――就位式でファンとの交流は、タイトル戦へのモチベーションにつながる?

 「普段の対局ではファンの方と直接お会いできないので、こういった機会をつくっていただけるのは自分としても励み。それをプラスにして、良い状態で対局に臨みたい」

  ――もし羽生九段と再戦するなら、次はどんな戦いをしたい?

 「今回の王将戦は全て違う戦型。羽生九段の懐の広さを感じたし、自分としては特定の戦型を想定して作戦を立てるのは難しいところがあると考えている。幅広い展開にも対応できる力を少しでも身につけたい」

  ――6月開幕の棋聖戦第1局がベトナムのダナンで開催される。
 「初の海外対局で驚きもあるが、楽しみ。海外の方にも将棋に関心を持ってもらえれば」

 ――ベトナムの鉄道については?

 「まだ調べてません(笑い)。ですがせっかくなので、どこか観光に行けたらと思います」

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