是枝裕和監督 坂本龍一さんとのタッグが「誇り」 カンヌ国際映画祭出品「怪物」完成披露

[ 2023年5月9日 05:30 ]

 映画「怪物」の完成披露試写会に出席した(左から)中村獅童、高畑充希、永山瑛太、柊木陽太、黒川想矢、安藤サクラ、坂元裕二氏、是枝裕和監督
Photo By スポニチ

 フランスで開催される第76回カンヌ国際映画祭(16~27日)のコンペティション部門に選出された是枝裕和監督(60)の「怪物」(6月2日公開)の完成披露試写会が8日、都内で行われた。

 是枝監督は、音楽を担当し3月28日に亡くなった坂本龍一さん(享年71)について初めて言及。「本当に残念ですけれど、こういう形でご一緒できたのは自分にとっての誇り。それ以上に作品にとって、坂本さんの音楽が必要だったと誰よりも自分が思っている」。坂本さんの思いも胸に抱き、カンヌでのお披露目に旅立つ。

 同作の編集段階から坂本さんの音楽を想定しており、既存の曲を仮に当てた映像に手紙を添えてオファー。坂本さんからは「とても面白くて、何曲かイメージが浮かんでいる。作ってみるので、良かったら使ってください」と快諾の返事が届いたという。

 新曲はピアノ曲2曲だけだったが、今年1月に発売したアルバム「12」の曲や仮当てしていた曲などで全体を構成した。是枝監督は「映画を見て作っていただいたのではと思えるほどマッチしていて、作品の中から聴こえてくるような存在。本当に感謝しています」としみじみ話した。

 「怪物」は、大きな湖のある郊外の町が舞台。息子を愛するシングルマザー、学校教師、秘密を抱えた子供たちのそれぞれの視点で、ある事件とその結末が描かれる。カンヌには是枝監督のほか脚本の坂元裕二氏(55)、主演の安藤サクラ(37)、永山瑛太(40)らが参加する。コンペ出品は7度目で、18年「万引き家族」以来、日本人では今村昌平監督に次ぐ2人目となる2度目のパルムドール(最高賞)の期待がかかるが、「参加できない人の分まで楽しんできたい」と謙虚に話した。その上で「いいチームができて素晴らしい映画になったと確信している」と自信ものぞかせた。安藤は「万引き家族」でも参加しているが、その時はNHK朝の連続テレビ小説「まんぷく」の撮影中だったためトンボ返りで「今度はしっかり、じっくり味わおうと思う」と声を弾ませた。 (鈴木 元)

続きを表示

この記事のフォト

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2023年5月9日のニュース