脳科学者の茂木健一郎氏「天才」と「秀才」の違いを説明「天才とは危険なものです」

[ 2023年5月9日 20:03 ]

茂木健一郎氏
Photo By スポニチ

 脳科学者の茂木健一郎氏(60)が9日、自身のYouTubeチャンネルを更新し、「天才」の定義について語った。

 これは、茂木氏が8日に自身のツイッターで、医師&弁護士&公認会計士のいわゆる三大難関国家試験すべてに合格した、東京大学医学部出身のタレントでユーチューバー・河野玄斗を「天才」と称することについて「この方個人には温かい応援する気持ちしかないですが、単なる資格試験合格を天才とか言うメディアの軽薄さには心底あきれるし、大袈裟にいえば国益を損すると思います」とつづったことについての“説明”。

 茂木氏は天才とは「常に文脈を超えていくもの」とし「これまでの秩序を壊す危険性がある。危険なものです」と語り、「試験の点数を一生懸命高くしようとしている人とか、何かの資格があってそれを一生懸命取ろうとしている人っていうのは、それがどんなに難関であっても、そういう方々は社会を乱す可能性はない」として、それは天才ではなく秀才であるとした。

 IQが高いのが天才か、ということについても「IQは50パーセントが遺伝すると言われている」とし、理論物理のリチャード・ファインマンがIQがMENSAの基準である130に満たなかったが「天才であることは間違いない」と断言。「IQが高いからと言って、文脈を超える天才になるとは限らない。IQテストっていうのは時間内にどれだけ正解の決まったパズルを解くかということ。IQテストという文脈の中で成績を挙げるのは天才ではない」と語った。

 また、よく「どうしたら天才になれますか?」や「子供を天才にするにはどうしたらいいか?」などと聞かれることがあるとし「リスクを伴うことですよ、という覚悟は持ってほしい」とキッパリ。「お子さんを天才に育てるというのは、ドリルをやって試験やって点数を高くするとか、英検1級を小学生の時に取らせたい、というのは天才ではない。文脈が決まっているんで。天才は危険なものです。秀才は放っておいていいんです。せいぜい高い点数取ったりとかいい学校行ったりとか資格試験に合格するくらいなので。そういう人は世界の秩序を乱す人じゃない」と「天才」と「秀才」の概念の違いを説明した。

 その上で「天才とは全体の範囲を広げていく存在。そういうのがないと成長できないので、日本はリスクはあるんですけど、そういうディスラクティブ(既存の価値基準を打ち砕く)な生き方とか才能とかいう人を育てていく必要があるんじゃないかな」と語っていた。

続きを表示

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2023年5月9日のニュース