王将戦“大一番”第5局前夜祭 藤井王将「より一層集中して対局に」羽生九段「仕切り直しという気持ち」

[ 2023年2月24日 20:02 ]

<第72期ALSOK杯王将戦 第5局前日>土江子ども神楽団による歌舞を見つめる藤井王将(右)と羽生九段(撮影・河野 光希)
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 将棋の藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=に羽生善治九段(52)が挑戦する第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負第5局(島根県大田市「さんべ荘」)の前夜祭が24日、同所で行われた。

 会場に姿を現すと、盛大な拍手で迎えられた両者。藤井は前年度に祝賀会のために同所を訪れ、今回が2度目の島根。「温泉もあり、リフレッシュさせていただいた」と笑った。前夜祭前には市内にある「さんべ縄文の森ミュージアム」を訪れ、約4000年前の縄文杉と触れ合った。「4000年前の木がそのまま残っていて迫力を感じましたし、興味深かった。シリーズの後半と言うことで、より一層集中して対局に臨みたい」と力を込めた。

 対する羽生は、過去のタイトル戦で何度も島根に来ている。「さんべ荘」にも対局のために訪れたことがあり、「初めて来たときは石見銀山が世界遺産に登録されるかどうかだったと思うので…20年ほど前でしょうか」と振り返る。「歴史ある場所で歴史あるタイトル戦の対局を指せるのはうれしい。前局から少し時間が空き、仕切り直しという気持ちだが、自分の力を出し切って全力を尽くしたい」と意気込んだ。

 史上最年少5冠の若武者と永世7冠の資格を持つレジェンドによる世紀の対決。第4局は羽生の快勝譜だった。先手番の羽生は、藤井の得意戦法である「角換わり腰掛け銀」を選択。43手目▲6八金で過去の前例は1局のみとなり、51手目▲4五桂で未知の局面に突入。藤井の攻めを誘いながらも、返す刀で羽生が切り込む展開に。藤井は封じ手となる66手目に、2時間24分の考慮。2日目は検討陣の誰もが予想していなかった「5二同王」と着手し対局再開。相手の攻めを受けて立つ姿勢を示したが、羽生が鋭い指し回しでリードを拡大。2つめの白星を挙げた。

 両者2勝2敗で迎えた第5局。どちらが勝ってもタイトルに“王手”がかかるだけに、熱い戦いとなりそうだ。

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