藤井王将、現行制度初の同一年度「一般棋戦全制覇」王手…残すはNHK杯 渡辺名人に快勝、朝日杯4度目V

[ 2023年2月24日 04:44 ]

第16回朝日杯オープン戦 ( 2023年2月23日 )

<朝日杯将棋オープン戦>優勝杯を手に笑顔の藤井王将(撮影・木村 揚輔) 
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 将棋の第16回朝日杯オープン戦は23日、東京都内で準決勝以降を行い、決勝では藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=が渡辺明名人(38)を103手で下し、2年ぶり4度目の優勝を飾った。

 こうなると「妖力」でしかない。豊島将之九段(32)と対戦した準決勝。得意なはずの先手番で得意なはずの角換わりに進みながら、土俵際まで追い込まれる。「自王に詰みがあり、負けを覚悟しました」。相手に首を差し出したかに見えたが、このあたりから勝勢の豊島に迷いを生じさせる。藤井王の右脇腹に飛車を打ち込めば絶命寸前だったが、豊島が選んだ手は右コビンへの金打ち。形勢は入れ替わった。

 「結構簡単な詰まし方を逃してしまった…」と頭を抱える豊島。大どんでん返しを実現させた藤井も「最後の最後まで苦しい将棋でした」と息をつく。

 振り返ってみれば朝日杯、初登場となった1月15日の本戦トーナメント1回戦(対阿久津主税八段)、そして同日の準々決勝(対増田康宏六段)ともに劣勢から逆転して白星をつかんでいた。対照的に決勝の渡辺戦はきれいな「藤井曲線」を描いての快勝劇。なんとも皮肉だ。

 「今回の朝日杯は内容的にミスが多かった。反省点をしっかり振り返って、来期はより良い将棋を指せるようにしたい」

 これで出場資格のある一般棋戦は、銀河戦、JT杯に続き3大会で優勝。残るNHK杯も4強に進んでおり、現行制度初の同一年度の「一般棋戦全制覇」に王手をかけた。朝日杯そのものも6度目の出場で4度目のV。先手番での連勝も26に伸びている(未放映対局は除く)。羽生善治九段(52)と対局中の第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)第5局島根開催に向けて、24日に現地入りする。

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