王手はどちらに…「世紀の対決」王将戦あす第5局 藤井王将も羽生九段もらしさあふれた対局場検分

[ 2023年2月24日 17:38 ]

<第72期ALSOK杯王将戦 第5局前日>対局場検分に臨む藤井王将(右)と羽生九段(撮影・河野 光希)
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 将棋の藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=に羽生善治九段(52)が挑戦する第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負の第5局が島根県大田市で25日から始まるのを前にした24日、対局場検分が行われた。

 定刻の午後4時半より少し早く対局場を訪れた羽生。室内には第63期王将戦で渡辺明名人(38)=棋王との2冠=と相まみえた際に記した揮毫(きごう)が飾られており、腕を組みながら眺めていた。午後4時29分に藤井が姿を見せ、検分が始まった。

 藤井が特に気にしたのが、おやつを食べる場所。対局室横の部屋か自室で食べることが可能で、羽生は即答で横の部屋を選択。藤井は「一度部屋を見てもいいですか?」と席を立ち、自室を選んでいた。

 検分中は立会人の福崎文吾九段(63)が「将棋盤の高さは大丈夫ですか?僕の感覚では、あぐらかいた時に少し高い気がする」「照明、温度の前に座布団ですかね。厚さどうですか?」など持ち前のトーク力で進行。連盟理事として訪れた井上慶太九段(59)にも「井上さんは温度大丈夫?井上さんに聞いてもしゃーないか」「検分ってどうやって終わるの?井上さん」など無茶ぶりもさく裂。報道陣はもちろん、羽生も肩を震わせる。藤井は若干困惑気味に見えたが、対局室は笑いに包まれた。

 史上最年少5冠の若武者と永世7冠の資格を持つレジェンドによる世紀の対決。第4局は羽生の快勝譜だった。先手番の羽生は、藤井の得意戦法である「角換わり腰掛け銀」を選択。43手目▲6八金で過去の前例は1局のみとなり、51手目▲4五桂で未知の局面に突入。藤井の攻めを誘いながらも、返す刀で羽生が切り込む展開に。藤井は封じ手となる66手目に、2時間24分の考慮。2日目は検討陣の誰もが予想していなかった「5二同王」と着手し対局再開。相手の攻めを受けて立つ姿勢を示したが、羽生が鋭い指し回しでリードを拡大。2つめの白星を挙げた。

 両者2勝2敗で迎えた第5局。どちらが勝ってもタイトルに“王手”がかかるだけに、熱い戦いとなりそうだ。

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