藤井王将 “8冠ロード”指し初め 8日から羽生九段と王将戦「いい状態で臨めるように」

[ 2023年1月4日 05:10 ]

永瀬拓矢王座(右)相手に深く読みを入れる藤井聡太王将
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 将棋の藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=が3日、高崎市で行われた「上州将棋祭り2023」に参加し、永瀬拓矢王座(30)と記念対局を行って仕事始めをこなした。

 23年指し初めとなった藤井王将は、練習将棋仲間でもある永瀬王座に中盤まではやや苦しむ展開。だが手番を握ると強烈な十字飛車を放って主導権を奪い、最後は相手王をあっという間の即詰みに討ち取った。「なんとか反撃に持ち込むことができました」。昨年末のオールスター戦に続き、非公式戦ながらタイトル保持者に2連勝と好調を維持している。

 8日に静岡県掛川市で開幕する第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負では、永世7冠の資格を持つ羽生善治九段(52)とぶつかる。将棋ファン待望の黄金対決を前に「しっかりいい状態で臨めるようにしたい」と短い言葉で決意を示した。

 対局前には今年の抱負について尋ねられ「ちょっと考えてなかったんですけど…。これから考えます」と苦笑い。対局後に再び答えを促され「…」としばしフリーズした後「永瀬王座と対局し、勉強になりました」と目尻を下げながらスルーする場面もあった。

 徐々に高まる夢の番勝負の高揚感。2月からは渡辺明棋王(38)に挑む棋王戦5番勝負も始まる。年度内6冠、いや、それに名人と王座を加えた年内全8冠制覇の可能性を持つただ一人の棋士に、新年の抱負など聞くまでもないだろう。(我満 晴朗)

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2023年1月4日のニュース