瀬戸カトリーヌ 40周年の「ピーターパン」ダーリング夫人役、10年ぶり出演に「不思議な縁」実感

[ 2021年7月14日 06:30 ]

ミュージカル「ピーターパン」でダーリング夫人を演じる瀬戸カトリーヌ
Photo By 提供写真

 1981年の日本初演から40周年を迎えるミュージカル「ピーターパン」(22日開幕、東京・めぐろパーシモンホール)にダーリング夫人役として出演する瀬戸カトリーヌ(45)が作品に懸ける思いを語った。

 瀬戸はピーターパンと「ネバーランド」へ行くウェンディの母・ダーリング夫人を演じる。18年前にはウェンディを、10年前にはダーリング夫人を経験した瀬戸は今回の出演に「おてんばなウェンディを演じた時、いつか未来につながるといいと思っていた。(演出の)森(新太郎)さんがそれをご覧になって、お声掛けいただいた。点と点がつながったみたいな不思議な縁を感じている」と感慨深げに話す。

 読売演劇大賞で大賞・最優秀演出家賞などを受賞してきた演出の森氏からは“太陽のような輝く存在”との期待がかけられている。瀬戸は「エネルギッシュで苦しくてもポジティブに、生きてれば何とかなるという思いが求められているものに近いのかな」と役に取り組んでいる。夫のダーリング氏役の小西遼生(39)については「とても優しく自然体で臨んでいる。求められたものすべてを受け入れ、演技から歌に違和感なく入れるのが素晴らしい」と全幅の信頼を置く。

 また、かつて演じたウェンディの母としては「この物語で成長するのはウェンディ。自分が演じた時は空を飛べるのが楽しかったが、(今回は母として)帰ってくるのを待ってくれている親の愛は偉大だと思う。ダーリング夫人を演じて、愛をあらためて感じることができた」と、思いを明かした。

 さらに瀬戸は今回、森氏から突然のオファーでネバーランドのダチョウ役にも挑戦。「人間味あふれるダチョウで初めてやるので力が入っている。“ダチョウ語”のセリフもあって、見ている人には分からないかもしれないけど、お客さんにはほっこりしてもらえれば」と、もう一つの役もパワフルに演じるつもりだ。

 間近に迫った初日に向けて瀬戸は「人間が持っている想像力が詰まった作品。想像力は人間の宝なので、年を取っても関係ないもの。現実がうまくいっていなくても、考え方や捉え方を変えることで人生が少しずつ良くなっていく」といい「森さんとは言いたいことは言い合って、尊重し合っていいものが生まれるように」と、よりよい作品をつくり上げることを誓った。

 東京公演は8月1日まで。ほか神奈川、大阪、仙台、名古屋の4都市で公演予定。

 ▽ストーリー あるところに、いつまでも子どものままの男の子が1人いた。いたずら好きで、やんちゃでちょっぴり意地悪で、そして空を飛べるその子の名前はピーターパン(吉柳咲良)。ある日の夜、ピーターパンはダーリング夫妻(小西遼生、瀬戸カトリーヌ)の家に“あるもの”を取りに忍び込む。そこでダーリング夫妻の子供たち、ウェンディ(美山加恋)、ジョン(津山晄士朗)、マイケル(遠藤希子、君塚瑠華のダブルキャスト)と友達になったピーターパンは3人を連れて夢の国ネバーランドへと飛び立つ。ウェンディはネバーランドで出会った迷子たちの“お母さん”になり、タイガー・リリー(宮澤佐江)率いる森の住人たちとも仲良くなった。ウェンディたちは楽しい時を過ごしながらも、いつしか家が恋しくなり、迷子たちも連れてロンドンの家に戻ることに。ところが、フック船長(小西遼生=2役)率いる海賊たちが待ち構え、ウェンディたちを捕らえてしまう。全員で海賊との激しい戦いの末、ピーターパンとの最後の別れを惜しむウェンディたち。ウェンディは彼に「春の大掃除の季節にはきっと迎えに来てね。」と願う。時がたち、約束を果たしにピーターパンがやってくるが…。

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2021年7月14日のニュース