三遊亭好楽「師匠のうちにツケが来ちゃった」前座時代に破門23回も…師匠に結婚を許された理由とは

[ 2021年7月14日 16:47 ]

三遊亭好楽
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 落語家の三遊亭好楽(74)が14日放送のテレビ朝日系「徹子の部屋」(月~金曜後1・00)にゲスト出演。昨年4月に大腸がんで逝去した愛妻・とみ子さん(享年72)との結婚までの経緯や印象に残った言葉を振り返った。

 とみ子さんとは前座時代に、とみ子さんの弟が落語の写真を撮っていた縁で自宅に招かれて知り合ったとし、「赤いジーパンなんですよ。背中向けて洗い物してるんですよ。それがものすごくドキッとして。今でもあのシーンがよみがえりますね。カッコ良くて」。また前座でありながら、家族にも良くされたことから交際へと発展、結婚を決意したとした。

 好楽は8代目・林家正蔵さん(のちの彦六、享年86)の弟子だったが、「前座が結婚なんかできないじゃないですか。師匠に絶対怒鳴られる。(それまで)破門23回で酒ばっかり食らっている。師匠の家のお酒全部飲んじゃって『お前は破門だ』なんて言われてた私が、結婚するなんかとんでもないことですよ。結婚なんて、真打ちになってからですよ」となかなか言い出すことができなかった。

 だが結婚式の日取りも決まり、師匠の日程も空いていることを確認すると、1カ月前に仲人を依頼するためにようやく師匠のもとへ。師匠の夫人からは「お金借りに来たの?しくじったの?」などと聞かれたが黙っていると、正蔵さんは「お前、女ができたね」と一言。「いつだい?」と聞かれて答えると、「早く言わなきゃダメじゃないか。そうか、空いてるよ」と反対されることはなかった。好楽は「嬉しかったんでしょうね。やんちゃ坊主を自分が育てる役目を終えて、カミさんに預けられるから」と笑って見せた。

 師匠から23回も破門されていた理由は、全て酒だったのかと聞かれると「そうなんですよ。師匠のうちにツケが来ちゃったんですよ。スナックで、1日5万1000円のツケしちゃって」と好楽。「私1日の前座の給金が100円なんですよ。それで破門ですよ」とし、母親に「俺破門になっちゃうから、お金持ってきて」と話すと、怒りながらも借りて持ってきてくれたという。師匠には親に迷惑をかけたことを再びしかられ、一緒にお金を返しにいくと、師匠は店に対しても「こんな若い者にこんな飲ませるものがあるか」としかり、支払いは4万1000円になったとした。

 そんな好楽を諭したのは、とみ子さんだったという。好楽は結婚後、「私の貯金額はほとんどないんですよ。カミさんがいくら持っているかも知らない。もらったギャラとか全部使っちゃうんですよ。みんなにごちそうするのが好きなんですよ」としていると、とみ子さんから「ちっとも役に立ってないわね。あなたの使い方。生きたお金を使いなさいよ」と言われたとした。最近は孫娘からも「生きたお金を使いなさいよ」と言われるとし、「その言葉はいまだに耳に残っていますね」と話した。「どんなお金なんですか。よく考えて判断した上で使うお金なんでしょうけどね」と続けた。

 司会の黒柳徹子(87)から「お酒より、飲むべきものは妻の意見って」と振られると、「それは本当です。お世話になりました。本当に」と回答。いつも仏壇には「ごめんね。一緒に暮らしてて、何であなたの病気が気が付かなかったのか」と謝り、墓参りにも1人で時間をかけて行くとし、「花はひまわりをいっぱい買って。ひまわりのような人だったから」としみじみと話した。

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2021年7月14日のニュース