笑福亭鶴志さん死去、64歳 肝臓がんから奇跡の復活、4月には勉強会参加も…

[ 2020年5月8日 17:51 ]

 6代目笑福亭松鶴一門の落語家、笑福亭鶴志(しょうふくてい・かくし=本名・冨松和彦)さんが8日午前0時54分、心不全、腎不全のため、大阪府内の病院で亡くなった。64歳だった。通夜は10日、葬儀・告別式は11日に遺族の意向で、家族葬として行われる。

 所属事務所の松竹芸能によると、鶴志さんは7日夜、体調不良を訴えて、大阪府内の病院へ搬送されたそうで「脈が弱り、危険な状態だった」という。

 鶴志さんは2年前の18年2月に肝臓がんの手術を受け、肝臓の半分を摘出したが、驚異的な回復力を見せて高座に復帰。事務所関係者によると「自分からウォーキングを積極的にやるなど、健康に気遣ってました。だから信じられません」。4月初めには一門の勉強会に参加するなど元気な姿を見せていただけに、突然の死去に驚きを隠せなかった。最近は、新型コロナウイルスの影響で自宅にこもっていたようだ。

 大阪市出身の鶴志さんは平安高校野球部OB。74年6月に六代目松鶴門下へ。75年に名古屋・大須演芸場で「つる」で初高座。82年には「ABC漫才落語新人コンクール」で最優秀新人賞を獲得した。

 上方落語協会会長・笑福亭仁智(67)は「口は悪いですが、スポーツマンらしく先輩を立て後輩の面倒見がよく、たくさんの若手を育ててくれました。若い頃は、よく落語を肴に朝まで飲みました。まだまだこれから鶴志さんの落語で、笑福亭の存在感を高めてくれると期待していたので残念でなりません。大好きな六代目松鶴師匠と好きなお酒を飲んでゆっくり休んでください」と故人を偲んだ。

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2020年5月8日のニュース