TBS幹部 「クレイジージャーニー」不適切演出の一因は「ディレクターが孤立」

[ 2019年10月30日 17:28 ]

TBS社屋
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 バラエティー「消えた天才」(日曜後8・00)と「クレイジージャーニー」(水曜後11・56)の放送終了を発表したTBSは30日、佐々木卓社長の定例記者会見で、再発防止策を発表した。制作担当の幹部が、「制作現場においてのコミュニケーションの取り方、集団で番組のクォリティーをコントロールしていくという組織を準備している」と述べた。

 ヒアリングなどの社内調査を経て両番組で不適切な演出があった背景について、「ディレクター、クリエイターが孤立してしまう状況」があったという。

 「人手不足ではなく、周りが担当ディレクターに声をかける習慣がなかった」といい、「もともとディレクターというのは孤独と戦っているような部分もある。個人がなんとか面白くしなきゃ、視聴者の期待に応えなきゃ、何とか数字をあげなきゃと思った時に、これぐらいならいいかと個人の中で解決してしまうと、こういうことが起きてしまう」と説明。

 「海外へ局から行っているのは1人という状況の中で、何とかしないと追い込まれる状況が当然あった」と明かし、「誰かに相談できる環境」が必要だと判断した。

 「消えた天才」は8月11日の放送で過剰演出が判明し、9月8日から放送を取りやめた。野球のリトルリーグ全国大会で全打者三振の完全試合を達成した当時12歳の投手の試合映像を放送した際、映像を早回しすることで実際の投球よりも速く見えるように加工。捕手へ届くまでの約0・5秒間を2割程度速くしていた。放送した31球のうち7球の映像は過剰に加工されていた。

 「クレイジージャーニー」は9月11日から放送を休止。爬虫類ハンターがメキシコに生息する珍しい生物を探して捕獲する旅に同行し、放送で紹介した6種類の生物のうち4種類は、番組スタッフが現地の取材協力者に依頼し、ロケの前に準備していた生物を使っていた。過去10回の放送でも捕獲した生物のうち、11種類は事前に準備していたものだった。

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2019年10月30日のニュース