古市憲寿氏 芥川賞受賞逃し心境「アイドルって大変なんだな」次回作でリベンジは?

[ 2019年1月17日 08:42 ]

小倉智昭氏
Photo By スポニチ

 第160回芥川賞の候補作に上がるも、受賞を逃した社会学者の古市憲寿氏(34)が17日、木曜コメンテーターを務めるフジテレビ「とくダネ!」(月〜金曜前8・00)に出演。悔しい胸のうちを明かした。

 16日に第160回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)が決定。芥川賞は上田岳弘氏の「ニムロッド」、町屋良平氏の「1R1分34秒」のダブル受賞となった。古市氏の著書「平成くん、さようなら」も候補6作品にノミネートされていたが、受賞を逃し、発表直後に、自身のツイッターで「がーーーーーん」とだけ短くつづっていた。

 番組では、古市氏が選考会当日、文芸春秋社からの電話に「ダメだったってことか」と落胆し「残念だなって。ツイッターに書こうかな」と話し、ツイッターを投稿する様子を放送。「周りが取れるって感じだったから。アイドルみたいにみんなが応援してくれて、アイドルってこんな気分だったんだなって。こうやって注目されて、応援されて、なんか輝くアイドルに近かったかな」などと率直な思いを語るVTRが流れた。

 小倉智昭キャスター(71)から「今日ほど『とくダネ!』のコメンテーターをやってなければと良かった、と思うことはないんじゃない?『とくダネ!』のせいだったかもわからない」と話を振られた古市氏は「電話来るタイミングとか、そのあとも友達がいてくれて、家に来てくれて、ありがたいなと。きょう『とくダネ!』なので、正直、早く寝たかったけど、みんな帰ってくれなくて。2時ぐらいまでいてくれて、寝不足です」と苦笑した。

 次回作への期待を伊藤利尋アナ(46)らが口にすると、小倉キャスターは「あまり期待してもかわいそうだし、彼は本業が何なのかって思った時に、別に取らなくていいのかなって」と冷静にコメント。古市氏も「賞を取るためにこういうの書こうっていうのは本末転倒。書きたいことがあって、テーマによって小説でもいいし、評論でもいいし、テーマが合わさった時に書けばいい。その賞はさらに先のほうにある」と応じた。小倉キャスターは「芥川賞の候補になった時からこの作品は芥川賞を取ってはいけないと言ってましたからね!芥川賞候補っていう作品じゃない。作品の出来としては認めてたけど…」と作品に対する自身の見解も示した。

 古市氏は「アイドルみたいって言ったんですけど、こうやって盛り上げてもらうのは楽しかったんですけど、楽しかったと同時に重荷だなって。アイドルって大変なんだなって。作品はとっくに書いていて、なのに『頑張ってね!』とか言われて。何もできないのになって。『とくダネ!』みたいな“無垢な善意”によっていろいろなんか盛り上げてくれたりとか…」と身内の悪ノリをチクリと刺した。

 発表直前となる古市氏は16日放送の番組にも出演。芥川賞の特集コーナーで「別に僕が決めることではないので。でもソワソワしてます」と心境を吐露。コーナー最後には、金屏風などで受賞会見のリハーサル会場のセットまで用意される展開に、番組側からの思わぬ“イジリ”に「なんで金屏風なんですか?」と頭を抱え困惑。「こんなのあります?親戚みたいに大騒ぎしてくれるのは嬉しいんですけど、余計なおせっかいっていうか、何なんだろう。何なんだろう」と苦笑していた。ゲストで出演した第153回芥川賞を受賞した作家の羽田圭介氏(33)も「選考委員の方が見られてたら、あいつ調子に乗ってるなって思うかもしれない。この番組がマイナスになっている」と番組に苦言を呈していた。

 古市氏は東京都出身で、慶応大環境情報学部を卒業後、東京大大学院総合文化研究科修士課程修了。慶大SFC研究所上席所員を務める傍ら、同番組の木曜コメンテーター(隔週)や同局「ワイドナショー」(日曜前10・00)など多くのテレビ番組に出演し、炎上も辞さないクールでシニカルな視点が度々話題になっている。

 昨年12月17日付で芥川賞候補6作品が発表。同日に出演した「とくダネ!」では「いろんな人がムカついてると思うんですよ。なんで古市が候補なんだって。そういう人は逆にほかの候補作が面白いんで読んでいただいて賞が盛り上がれば」と話していた。

続きを表示

2019年1月17日のニュース