ソフトB・近藤 長谷川コーチから“師匠超え指令”球団初シーズン200安打へ「そこを目指していく」

[ 2023年1月13日 05:00 ]

徳之島での自主トレを公開した近藤
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 ソフトバンク・近藤健介外野手(29)が12日、鹿児島県徳之島で合同自主トレを公開した。日本ハムから海外フリーエージェント(FA)権を行使し、加入した球界屈指の巧打者は“師匠”と慕う長谷川勇也打撃コーチ(38)が現役時代に刻んだ球団記録198安打を超える200安打に狙いを定めた。また、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、かつてのチームメートだったエンゼルス大谷との世界一を誓った。

 新天地で数々の新ミッションをクリアするため、近藤は徳之島で6度目の自主トレに励んでいる。FAを行使し11年在籍した日本ハムからソフトバンク移籍。師匠に託された未到達の領域への突入の準備を続けていた。

 「交渉の席でも(長谷川コーチから)“198本を超えてほしい”と言っていただきましたし、そこを目指していく。年々、やっていると、とてつもない数字なんだなと」

 昨年11月21日、2度目の交渉の席には藤本監督と球団は違えど、打撃の師と仰いできた長谷川打撃コーチも出席。昼食をともにする中で告げられた“師匠超え指令”も移籍の理由になった。同コーチは13年に全試合出場し、球団記録の198安打。全試合出場未経験の近藤は18年の149安打がキャリアハイで、移籍初年度で初の全試合出場、球団初200安打へ欲が出る。

 「フル出場はまだしていないし、そこでも貢献したいというのはある。離脱なくやりたいし(日本ハム)松本剛が首位打者を獲ったが、あのペースで200安打にいかなかった。どんな世界なのかな、というのはある」

 同期入団の松本剛が昨季打率・347で初の首位打者に輝いたが、安打数は137。どれだけ高い壁なのかは分かった上で、単打だけでなく、長打へこだわるという一見、逆行する試みも始めた。

 ティー打撃では脇下の高めに球を置いた。「低めより、高めの方が打球は上がる。高めの強い球と抜けた変化球が打てるように。結果的に長打率につながれば」。きっかけは東京五輪の経験だ。「五輪でみんなの打撃を見て、このままじゃ違うなと思った。もっと強いスイングで強い打球を打つと思わされた」。長打率は21年の・472が最高だが「5割はいきたい。(キャリアハイの)11本を超えられるように」と安打製造機の印象を一変させようとしている。

 年明けに王会長から「独走V指令」も飛び出した。優勝、日本一はノルマとなる球団。「プレッシャーの中で野球をやる。そんな中でやる喜びはあります」。近藤は緊張感を楽しんでいるようだ。(井上 満夫)

 《侍で大谷と共闘へ》近藤が、エンゼルス大谷との世界一を誓った。ともにWBCに挑む野球日本代表「侍ジャパン」のメンバー入り。日本ハム時代の17年以来となる共闘だけに「大谷は、より異次元の世界のレベルに行っていると思いますけど、同じチームでまた一緒に野球できるうれしさがある。世界一にしっかり貢献できるように」と話した。

 《有原入団に笑顔「心強い」》近藤にとっては20年まで日本ハムでともにプレーした有原の入団は“追い風”になった。「まず、友達づくりからと思っていたので有原さんが来てくれて心強い」と笑顔で喜んだ。リーグ優勝、日本一は日本ハム時代の16年から遠ざかるだけに「いい戦力が来てくれたと思います」と歓迎していた。

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2023年1月13日のニュース