殿堂入り記念「バース&新庄対談」特別再録

[ 2023年1月13日 15:00 ]

97年、新庄(当時阪神)に3冠打法を伝授するバース氏(右)
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 野球殿堂入りが決まった元阪神、ランディ・バース氏(68)は97年シーズンにスポーツニッポンと毎日放送の野球評論家として活動した。開幕前には当時25歳の新庄剛志(現日本ハム監督)と特別対談。若虎に3冠打法を伝授していた。今回、特別にその一部を紹介する。=97年3月25日付紙面から=

 新庄「初めてお会いするのでワクワクしてます。いつもビデオを見て、バットを出すタイミングを参考にしています」

 バース「じゃあ聞くけど、追い込まれるまで、どんな狙いで打席に立っているんだい」

 新庄「僕は球種で狙いを絞ってます。直球待ちでカーブが来ても、バットに当てるセンスはあると思っている。でもボールにも手を出すことがあって…」

 バース「簡単に考えることが必要だ。狙った球じゃなかったり、迷ったときは見送るんだ」

 新庄「それじゃ追い込まれてしまう」

 バース「まだストライクは1球ある。大事なことは相手の術中にはまって追い込まれるんじゃなく、自分で見送って自分を追い込むこと。そうすれば、打撃に必要な勘が不思議と働くんだ」

 新庄「じゃあ、2ストライクからはどう打つんですか」

 バース「そこからは狙い球を絞ることを捨て、三振だけはしないように気持ちを切り替える。あとは自分の勘が頼りだ。新庄にアドバイスできるのは球種よりも、内、外で狙いをつける習慣をつけることだと思う」

 新庄「どんなイメージですか」

 バース「内角はホームベースの手前で捉える必要があるけど、外角はベースの角まで引きつけても間に合う。外の球をしっかり逆方向に打つ。これが打撃の鉄則だ」

 新庄「僕はライトには飛ばないんです。手も長いから外角でも左中間に運ぶ自信はある」

 バース「それじゃバッティングは安定しない。踏み込んで、逆方向を意識すれば打球は飛ぶ。自分は打撃練習でも外角に球を集めてもらっていた」

 新庄「いい話を聞けました。また分からないことがあれば、教えてください」

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2023年1月13日のニュース